FXにおける移動平均とは?仕組みや使い方、基本戦略を解説!

FXでの取引を始めるとき、初心者にとってテクニカル分析は少し難しそうな印象を受けるかもしれません。

しかし、数ある指標の中でも特に扱いやすく、初心者にもおすすめできるのが「移動平均線」です。

本記事では移動平均線の仕組みや基本的な使い方を詳しく解説していきます。

移動平均とは?

FXのテクニカル指標の中でも初心者が比較的扱いやすいものとして、移動平均線があります。

移動平均線とは、一定期間の終値の平均値を計算してグラフ化したもので、値動きのトレンドや売買シグナルを視覚的に把握するための指標です。

移動平均線は計算方法もシンプルで、一定期間内の終値の合計を、その期間の日数で割って算出します。

例えば、5日間の移動平均線であれば、直近5日間の終値を合計し、5で割った値を算出し、それを日々更新していくというものです。

美図紀さん
美図紀さん

移動平均線は価格の流れを見るのにピッタリの指標よ。初心者でもすぐに使えるから安心ね。

文野くん
文野くん

でもさ、計算って難しいんじゃない?毎日やるのって結構面倒そうだけど。

美図紀さん
美図紀さん

心配いらないわよ。実際はFXの取引ツールが自動で表示してくれるから、自分で計算する必要はほとんどないの。

移動平均線の種類

移動平均線には主に「単純移動平均線(SMA)」「指数平滑移動平均線(EMA)」があります。

単純移動平均線(SMA)

単純移動平均線(SMA)は、設定した期間の終値を単純に平均したもので、一定期間内の価格を均等に重視します。

そのため、価格変動に対する反応はやや遅めですが、トレンドの大きな流れを掴むのに適しています。

例えば、5日間のSMAの計算式は以下の通りです。

SMA =(終値1+終値2+終値3+終値4+終値5)÷ 5

指数平滑移動平均線(EMA)

指数平滑移動平均線(EMA)は、直近の価格により重きを置く計算方法で算出されるため、最新の価格変動を迅速に反映します。

EMAは少し複雑ですが、次の式で計算されます。

EMA =(当日の終値-前日のEMA)×平滑化定数+前日のEMA

平滑化定数は、通常「2 ÷(期間+1)」で求めます。

美図紀さん
美図紀さん

SMAは価格の大きな流れをつかみやすいけど、最新の動きにはちょっと鈍感なのよね。

文野くん
文野くん

なるほどね。それならEMAを使えば直近の動きを敏感にキャッチできるってこと?

美図紀さん
美図紀さん

そうよ。だから短期的な取引やトレンドの転換点を素早く見つけたいときにはEMAがおすすめなの。

移動平均線の基本的な見方

移動平均線を使うことで、相場がどのような状況にあるのかを視覚的に把握できます。

主な相場の状況は「上昇トレンド」「下落トレンド」「レンジ相場」の3種類です。

移動平均線で相場のトレンド判断

上昇トレンド

移動平均線が右肩上がりになっているときで、価格もこの線より上に位置している場合は、買いが優勢な状況を示します。

下落トレンド

移動平均線が右肩下がりで、価格が線より下に位置している場合は、売りが優勢な状況を示します。

レンジ相場

移動平均線がほぼ横ばいで、価格が線の上下を行ったり来たりしている場合です。

相場が方向感を失っている状況を示します。

移動平均線は売買シグナルになる

また、移動平均線は買いや売りのタイミングを示すシグナルとしても活用されます。

価格が移動平均線を上抜けると「買いシグナル」、下抜けると「売りシグナル」と見ることができます。

上記の場合は1本線の場合の判断となります。

後ほど紹介する短期線と長期線の関係から売買判断を行う方法などもあります。

美図紀さん
美図紀さん

トレンドの向きを知るだけでも、取引の成功率がグッと高まるわよ。

文野くん
文野くん

そうだよね!買いや売りのタイミングも明確になるから、初心者でも迷わず取引できそうだな。

移動平均線の期間設定

移動平均線を使う際には、期間設定がとても重要になります。

期間設定とは、移動平均を算出する際に何本のローソク足を使うのかを決めることです。

期間設定には短期線、中期線、長期線という区別があり、それぞれ役割や特性が異なります。

特に日足に対する移動平均線を「5日線」「25日線」などと呼びます。

短期線

直近の価格変動に敏感に反応します。

そのため、取引のタイミングを見極める際に便利ですが、「ダマシ」と呼ばれる誤ったシグナルも多く発生します。

期間:ローソク足5本、6本、10本、12本など

中期線

短期線と長期線の中間で、直近のトレンドの方向を確認するために使われます。

期間:ローソク足20本、25本、50本、75本、89本など

長期線

価格変動に対して鈍感ですが、大きなトレンドを把握するのに適しています。

ただし、シグナルの頻度は少なくなります。

期間:ローソク足100本、144本、200本、233本など

期間設定は独自の数値を使うこともできますが、一般的に多くのトレーダーが使っている数値を採用したほうが機能しやすくなります。

以下の期間から2~3本選んで表示させるのが基本的な使い方になるでしょう。

よく使われるローソク足の期間

15本、21本、25本、50本、75本、100本、200本

筆者の場合は、短期:15、中期:75、長期:200に設定して移動平均線を使っています。

美図紀さん
美図紀さん

設定期間が短いほど価格変動にすぐに反応するけど、「ダマシ」が多くなることに注意!

文野くん
文野くん

短期線でタイミングを確認しつつ、長期線でトレンドを見たほうが安心できるのかな?

美図紀さん
美図紀さん

その通り。複数の期間設定を併用して使うのが効果的よ。

移動平均線の使い方【基礎編】

移動平均線を利用した基本的な分析方法として「デッドクロス」と「ゴールデンクロス」、「レジスタンスライン」と「サポートライン」の2つがあります。

デッドクロス・ゴールデンクロス

「デッドクロス」と「ゴールデンクロス」は2本の移動平均線の関係性から「売り」「買い」を判断する方法です。

デッドクロス

短期線が長期線を上から下へクロスする形で、下落の可能性を示します。

売りシグナルと考えることができますが、必ずしも下落するわけではないので注意しましょう。

ゴールデンクロス

短期線が長期線を下から上へクロスする形で、上昇の可能性を示します。

買いシグナルと考えることができますが、必ずしも上昇するとは限らないので注意しましょう。

美図紀さん
美図紀さん

短期線の期間が短いほどクロスの発生も多くなるので「ダマシ」に注意です!

レジスタンスライン・サポートライン

移動平均線は「レジスタンスライン」と「サポートライン」として意識されることもあり、移動平均線付近で値動きが反発することがあります。

レジスタンスライン

価格が上昇する際に「抵抗線」として意識され、移動平均線の付近で跳ね返される(下落する)値動きをすることがあります。

レジスタンスラインが強く意識されている場合は、一時的に上に突き抜けたとしてもローソク足にヒゲをつけて価格が戻されやすいです。

逆にレジスタンスラインとして機能しない場合は、移動平均線を突き抜けた後に「さらに上昇する」可能性があります。

何度も跳ね返された後に突き抜けた場合は、レジスタンスラインとして機能が失われた可能性が高いです。

サポートライン

価格が下落する際に「支持線」として意識され、移動平均線の付近で跳ね返される(上昇する)値動きをすることがあります。

サポートラインが強く意識されている場合は、一時的に下に突き抜けたとしてもローソク足にヒゲをつけて価格が戻されやすいです。

一方で、サポートラインとして機能しない場合は、移動平均線を突き抜けた後に「さらに下落する」可能性があります。

文野くん
文野くん

レジサポラインとして意識すると、エントリーや決済のポイントが分かりやすくなりそうだね。

移動平均線の使い方【応用編】

移動平均線の基礎を理解したら、次は応用的な分析方法にもチャレンジしてみましょう。

グランビルの法則

移動平均線の使い形して特に有名なのが「グランビルの法則」です。

移動平均線を利用した代表的なトレード手法で、4つの買いパターンと4つの売りパターン、計8つのパターンがあります。

買いパターン

  1. 移動平均線が横ばいまたは上向きの時、価格が移動平均線を下から上に抜ける
  2. 移動平均線が上昇中に価格が一時的に下落し、移動平均線に接触または近づいて反発
  3. 移動平均線が上昇中に価格が線より大きく下落した後、再び移動平均線に向かって上昇
  4. 移動平均線が下降中に価格が大きく下落した後、移動平均線から離れすぎて反発上昇

売りパターン

  1. 移動平均線が横ばいまたは下向きの時、価格が移動平均線を上から下に抜ける
  2. 移動平均線が下降中に価格が一時的に上昇し、移動平均線に接触または近づいて反落
  3. 移動平均線が下降中に価格が線より大きく上昇した後、再び移動平均線に向かって下落
  4. 移動平均線が上昇中に価格が大きく上昇した後、移動平均線から離れすぎて反落下落
美図紀さん
美図紀さん

グランビルの法則を使うと、エントリーや決済のタイミングがはっきりしてくるわよ。

文野くん
文野くん

8パターンもあるんだ!ちょっと多いけど、少しずつ覚えて活用できるように頑張るよ

短期・中期・長期の3本を併用する

移動平均線をより効果的に活用するために、短期線・中期線・長期線の3本を組み合わせて分析を行うことがおすすめです。

2本表示から3本表示に変更することで、短期的な取引タイミング、中期的なトレンドの方向性、長期的な相場の大局観をバランスよく把握することができるようになります。

また、基本的には「デッドクロス」と「ゴールデンクロス」の判断は2本線と同じ考え方でOKです。

強い上昇シグナル

チャート上で上から短期線・中期線・長期線の順番に並んでいる場合、強い上昇トレンドを示すシグナルと見ることができます。

短期線と長期線の「ゴールデンクロス」と中期線と長期線の「ゴールデンクロス」が発生した場合に起こります。

そのため、2本線で判断した場合よりも「強い買いシグナル」の可能性が高いです。

強い下落シグナル

逆に上から長期線・中期線・短期線の順に並んでいる場合は、強い下落トレンドを示すシグナルと判断できます。

短期戦と長期線の「デッドクロス」と中期線と長期線の「デッドクロス」が発生した状態です。

同様に2本線で判断した場合よりも「強い売りシグナル」の可能性が高いです。

調整・横ばいの値動き

3本の線が上下に何度も絡まるような場合は、トレンドに対する調整の値動きをしているシグナルと判断できます。

横ばいの値動きやこれまでのトレンドと逆の方向に値動きを進める前段階と予測できます。

この場合は、値動きのランダム性も高いので、取引をしないで静観する方が安全です。

美図紀さん
美図紀さん

短期線・長期線の2本線の場合よりも、詳細に相場の状況を把握することができるようになります。

文野くん
文野くん

2本線よりもチャートが複雑に見えるから、移動平均線に目が慣れてきたら3本線にしよう!

移動平均線を使った売買戦略の例

移動平均線を活用した具体的な売買戦略を、もう少し詳しく見ていきましょう。

トレンドに順張り戦略【ゴールデンクロス】

まず短期線が長期線を下から上に抜けるゴールデンクロスが発生したとします。

この場合は上昇トレンドへの転換が期待されるため、買いポジションを検討しましょう。

エントリー後、価格が順調に上昇したら、「長期足のレジスタンスライン付近」や「再度デッドクロスが発生」したタイミングで利益確定を行います。

押し目買い戦略【サポートライン】

上昇トレンド中に価格が一時的に下落したとします。

下落先に移動平均線がある場合にサポートラインとして機能が期待でき、価格がこのラインに近づいたタイミングで押し目買いを行います。

利益確定は、価格が次のレジスタンスラインに到達するか、再度移動平均線を下回る動きを見せた時点で検討します。

もし、サポートラインを明確に下に突き抜ける値動きをした場合は損切りをします。

レンジ相場でのノーポジション戦略

値動きが限定的で各期間の移動平均線が横ばい状態、ランダムに絡まっている場合。

現在はレンジ相場となるので、積極的に取引をせず様子を見る戦略を取ります。

短期線や中期線が角度をもって上に傾く → ゴールデンクロスなどが発生するといった明確なシグナルがでるまで我慢です。

文野くん
文野くん

具体的なエントリーと利益確定のポイントが明確になると、すごく取引しやすくなるね!

美図紀さん
美図紀さん

自分なりの基準を持って戦略を実行することで取引に迷いが減るわよ!

移動平均線を使うときの注意点

移動平均線はFXトレードを行う際に非常に役立つテクニカル分析方法ですが、使う際にはいくつかの注意点を覚えておく必要があります。

移動平均線は未来を予知するものではない

移動平均線はあくまで過去の価格データをもとに計算された指標です。

確実な未来の価格動向を予測するものではありません。

そのため、過度に信頼すると「ダマシ」と呼ばれる誤ったシグナルに振り回されてしまうリスクがあります。

過信することなく、どういったときに移動平均線が機能するか機能しないかを自分で検証していく必要があります。

シグナルの使い方を絞る

1つの時間足にすべてのシグナルを取り入れようとすると、情報が多すぎて判断が混乱してしまうことがあります。

自分が使いやすいシグナルを1つ~2つに絞り、それを深掘りして理解することが大切です。

例えば、ゴールデンクロス・デッドクロスのみに注目し、グランビルの法則については気にしない。

あるいは、中長期トレンドとレジサポラインの把握だけに使い、ゴールデンクロスといった売買シグナルは判断に入れないという選択もあります。

時間足の違いを理解する

移動平均線は時間足によって計算結果が異なります。

そのため、複数の時間足(長期足・中期足・短期足)をそれぞれ分析する習慣をつけることが重要です。

  • 長期足:市場の大局観と主要なレジスタンス・サポートライン
  • 中期足:直近のトレンド方向とレジスタンス・サポートライン
  • 短期足:具体的な取引のタイミングをゴールデンクロスやグランビルの法則で見る

といった使い分けをすると取引精度が向上します。

美図紀さん
美図紀さん

どの分析方法でもそうだけど、あくまで可能性の予測なのでダマシがあることを念頭に置きましょう。

文野くん
文野くん

過信せずに、しっかりと損切りすることも考えて取引をすることが大事だね。

エンディング

ここまで、FX取引における移動平均線の基本知識や使い方、売買戦略まで解説してきました。

最後に、本記事で紹介した内容を簡単に整理し、押さえるべきポイントを再確認しましょう。

移動平均線とは

移動平均線とは、過去一定期間の価格を平均化した線のことです。

価格変動を滑らかにして表示するため、相場の方向性を把握しやすく、初心者にも使いやすいテクニカル指標の1つです。

いますぐ覚えておくべきポイント

  • 単純移動平均線(SMA)指数平滑移動平均線(EMA)がある
  • 短期線は値動きに敏感、中期線はトレンド把握、長期線は相場の大きな流れを見るのにオススメ
  • ゴールデンクロスやデッドクロス、レジスタンスラインやサポートラインなど、移動平均線を活用した基本的なシグナルがある
  • グランビルの法則を知ることで、より高度な取引判断が可能になる
  • 短期・中期・長期の3本の移動平均線を併用で、より精度の高い分析ができる
  • 移動平均線を使く目的を絞り込むことで、判断基準が明確になる

これらの知識を理解し、繰り返し実践することで、自分自身に最適な使い方を見つけられるようになります。

まずは基本的な使い方を習得し、徐々に経験を積んで取引精度を高めていきましょう。

美図紀さん
美図紀さん

移動平均線はシンプルながらも本当に使い勝手が良いわ。初心者にもオススメだから、ぜひ活用してね。

文野くん
文野くん

基本の考え方が整理できたし、これで迷いなく実践に進めそうだよ。まずはシンプルな方法から試してみるよ!