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FXにおいて、市場の動きを予測して適切な売買タイミングを見極めるための分析手法が数多く存在します。
その中の1つとして「エリオット波動理論」があります。
エリオット波動理論は、ざっくりと言えば「相場の動きは5つの推進波と3つの修正波」で表せるという理論です。
エリオット波動理論ってなに?って方はこちらの記事をご覧ください!
この理論を活用して相場のトレンドを把握し、将来の動きを予測することが可能となります。
しかし、理論の活用にはメリットだけでなく注意しなければいけない点もあり、間違った使い方や理論を過信しすぎると痛い目を見ます。
この記事では、エリオット波動理論を分析に使うメリットと注意点について解説します。
エリオット波動理論は、「相場はフラクタル構造をとる」という前提に基づいています。
フラクタル構造とは、小さなパーツが全体と同じ形状を持つ構造のことを指します。
「フラクタル構造」ってなに?
「フラクタル構造」は「マトリョシカ」をイメージしてもらえれば!
大きな人形の中に小さな人形が入っているってのが繰り返してるやつね!
そう!エリオット波動は一回り小さなエリオット波動で作られているってことね。
そのフラクタル構造を取るために1分足であろうと月足であろうと、市場の動きはエリオット波動で分析できるといえます。
時間足に縛られない分析方法のため、スキャルピング(超短期取引)、デイトレード(日中のみの取引)、スイングトレード(数日~数週間の取引)といった、さまざまなトレードスタイルに対応することが可能です。
短時間足になるほど、ノイズ(髭や値飛び・ランダムな動き)の影響を受けやすいので注意です。
エリオット波動を用いる際には、「マルチタイムフレーム分析」が有効となります。
これは、上位足(長期的な時間枠)から順に分析・予測を進めていく手法です。
大きなトレンドの分析から始めることで、短期足でのランダムなノイズの影響を避けつつ、矛盾の少ない戦略を立てることに役立ちます。
具体的には、月足~日足で大きなトレンドを把握した後、時間足で直近のトレンド方向を掴みます。
そして、分足でどこで売買を行うかを決めてトレードします。
月足→週足→日足→・・・と長期足から順にエリオット波動を見ていくことが大切なんだね!
エリオット波動の分析手順は基本的に以下の3つのステップからなります。
- ローソク足の流れ(上昇や下落)の始点と終点を結ぶ線を引く
- 1で引いた複数の線が描くパターンを「基本波形」に当てはめる
- それぞれの「基本波形」の特徴から次の値動きを予測する
このように、エリオット波動の分析はシンプルな作業から成り立っています。
エリオット波動には5つの「基本波形」があります。
トレンドで出現する「インパルス」「ダイアゴナル」
反発やレンジで出現する「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」
各基本波形の特徴は別記事で解説しているので、気になる方は下の関連記事一覧からご覧ください!
これらの波形にはそれぞれ特徴的な値動きがあり、「インパルス」は強いトレンドを示す。「ジグザグ」はトレンドと逆方向に大きく値動きをする。といった特徴があります。
各波形が示す市場の状態を理解することで
この波形なら、次は上昇する優位性が高いだろう
あの波形が終わったから、レンジブレイクの可能性が高い
といった、パターンの当てはめで今後の相場の値動きを予測することができます。
パターン分析はシンプルであり、初心者でも直感的に分析しやすいことが特徴です。
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エリオット波動理論は、「相場はすべてエリオット波動で形成されている」という前提です。また、「基本波形」にはそれぞれ特徴的な値動きがあります。
これらの特徴を理解することで、「今後どのような相場が作られていくか」のシナリオを予測することが可能となります。
「インパルス」だったら、トレンド方向に大きく動きそうとかね。
「フラット」だったら、直近の高値と安値を往復しそうみたいな感じか。
STEP1. 上位足(長期的な時間枠)で、大きなトレンド方向と作られている波形を分析します。
STEP2. 下位足(トレードを行う時間足)では上位足の分析を前提に「現在はどの基本波形の途中か」「次はどの波形が出現しそうか」等を予測したシナリオを立てます。
STEP3. シナリオを元に具体的なエントリーポイントや利益確定ポイントを設定して取引する。
このようにエリオット波動を用いることで、相場の動きを予測し、それに基づいたトレード戦略を立てることが可能となります。
これにより、投資のリスクを管理しながら、効率的な取引を行うことができます。
エリオット波動理論は、長年にわたって経験と知識が蓄積された客観的なテクニカル分析手法です。
それぞれの波形パターンには、市場の動きを予測する上での優位性があります。
しかし、その理論に沿って「どのエリオット波動のパターンを相場に当てはめるか」という判断は、主観的なものとなります。
たとえ自分自身が「この波形パターンに違いない」と確信していたとしても、それはあくまで主観的な考えです。
必ずしも相場が自分の思惑通りに動くわけではないということを理解する必要があります。
エリオット波動の存在自体は信頼できるけど、それを用いる自分自身の判断は疑う必要もあるわ!
あくまで「相場を自分がそのように見ている」という意識が大事だね。
エリオット波動を用いて相場を分析する際、自分が相場を理解したと過信すると、逆張り思考に偏る傾向があります。
これは、自分の考えに固執し、自分の相場の見方が間違っている可能性に気づけなくなるリスクを含んでいます。
したがって、エリオット波動を用いる際は「あくまで主観的な考察」という意識を持つことが重要です。
また、可能な限り複数のシナリオを考え、1つのシナリオに固執しないようにすることが大切です。
トレードが上手くいき始めて「自分、天才かも」と思い始めたら、注意が必要だね。
ええ、そうね!私としては「上昇」「レンジ」「下落」のシナリオをそれぞれ考えて、どのシナリオの優位性が高いか判断する癖をつけるのがオススメです。
エリオット波動理論は「正しい相場観を持つためのテクニカル」であることを理解することが重要です。
エリオット波動理論での分析は「この波形が来たらこうする」というシナリオを立てることはできます。
しかし、移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロス、RSIのような数値による売られすぎや買われすぎといった、明確な売買シグナルを発するものではありません。
そのため、エリオット波動理論は機械的なマニュアル的な取引には向いていません。
買いシグナル | 売りシグナル | |
---|---|---|
移動平均線 | ゴールデンクロス | デッドクロス |
RSI | 売られすぎ (30%) | 買われすぎ (70%) |
ライン分析 | レジスタンス | サポート |
エリオット波動 | 個人の判断 | 個人の判断 |
「この価格で売り」「この価格で買い」という明確な売買ポイントの判断はできないんだね。
そうなのよ。でも「相場の大局」「今後のシナリオ」を分析するのにはお役立ちです!
エリオット波動理論だけに依存したトレードは、主観的な判断に偏りがちです。
実際のトレードでは、他のテクニカルツールと組み合わせることが大切です。
エリオット波動で分析・予想して「相場の見通し」を持ち、他のテクニカルツールで客観的な売買サインを確認してトレードするのが良いでしょう。
筆者は「ライン分析」「単純移動平均線」「ボリンジャーバンド」も組み合わせて総合的に判断、トレードしています。
FXや投資には聖杯が存在しないように、「エリオット波動理論を極めれば負けなくなる」ということはありません。
エリオット波動理論もテクニカル分析の一手段、相場を見る一視点にしかすぎません。
どの手法、テクニカルツールにも長所と短所があることを意識し、それらをバランス良く組み合わせて利用することが重要です。
エリオット波動理論で分析するメリットは
① マルチタイムフレーム分析で役立つ
② パターンの当てはめでシンプルな分析
③ シナリオ予測と戦略立てに役立つ
です!
注意点としては
① エリオット波動での分析は主観的
② 明確な売買材料にはならない
ことだね!
当ブログでは、エリオット波動理論について基本的な知識をまとめているので、気になった方は別記事もご覧ください!
エリオット波動理論を学ぶならこの書籍!
初心者でもわかるように丁寧に解説、読みやすく図解された1冊。
一読してすべてを理解するのは難しいですが、何度も読み返して現在の相場にアウトプットしていくことで、エリオット波動理論の考え方が身についていくでしょう。
ケーススタディや代表的なトレード戦略も載っています!
18銘柄、250の検証実例が収録されています。
エリオット波動理論の基本的な知識はもちろん、各エリオット波形の事例が紹介されており、どのように分析やトレードをしていくか参考にすることができます。
章ごとに復習問題も用意されており、まさに教科書って感じです!