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「複合修正波」とは、エリオット波動における3つの修正波「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」が複数つながって現れる調整パターンのことです。
複合修正波は大きく分けて以下の4つのタイプに分けられます。

- ダブル/トリプルジグザグ
「ジグザグ」が連続し、調整幅が大きくなりやすい - ダブル/トリプルスリー
「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」が組み合わさり、横ばいレンジを作りやすい
正直に言うと「複合修正波」は複雑かつ難しいです。
ただ、知っているだけでも、「どの基本パターンにも当てはまらない波は複合修正波かもしれない」という仮説が立てられるようになり、相場分析の精度が一気に高まります。
「複合修正波」の理解を深めるには、「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」の特徴を押さえておく必要があります。
本記事では、3つの修正波の特徴については理解していることを前提として、複合修正波の特徴、トレードでの対処方法などを、分かりやすく解説していきます。

基本形は覚えたけど、どうしても当てはまらない値動きがあって悩んでたんだ。「複合修正波」なんてものがあるんだね。

そうなんです。「複合修正波」を知っておくだけで、これまで「よく分からない動き」で終わっていた場面も読み解くヒントになります。

「複合修正波(コンビネーション)」とは、2つまたは3つの基本的な修正波が「X波」と呼ばれる中間波で連結した修正波のことを呼びます。
「複合修正波」の構成要素はすべて修正波
この「複合修正波」を作る要素はあくまで「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」の3種類です。

また、「複合修正波」には独自のアルファベット表記が使われます。
- 2つの修正波の組み合わせ → W-X-Y
- 3つの修正波の組み合わせ → W-X-Y-X-Z
W・Y・Zが「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」のいずれかを、X波がそれらをつなぐ中継役の波を表しています。
X波は多くの場合は「ジグザグ」となります。※他の修正波となる可能性もあります。
「複合修正波」は発生する理由・原因は?
「複合修正波」が現れる理由はシンプルで、ひとつの修正波だけでは市場の調整が不十分なときに起こるからです。
例えば、上昇トレンドの押し目で「最初のジグザグが浅すぎて十分に調整できなかった」ケースでしょう。
相場参加者がさらに下がることを期待したり、買うための判断材料がなければ、売り圧力が大きくなり、「ダブルジグザグ」などを作るイメージです。

あるいは「価格はほとんど動いていないのに、時間的な調整だけが必要な」ケースです。
その背景には、ニュースや材料が乏しい状況や市場参加者の心理が複雑に絡み合うといった要因があります。

このような場合に、調整は一度では終わらず、次の修正波が追加されて「複合修正波」となるのです。
結果として、もう一段深い押し目が入る「ダブルジグザグ」や横ばい相場が長引く「ダブルスリー」が現れます。
したがって、調整が長引いている局面では複合修正波を疑うことが重要です。
複合修正波が出やすいのは、次のような局面です。
| 波形 | 出現しやすい波 |
|---|---|
| インパルス | 2波・4波 |
| ダイアゴナル | リーディングダイアゴナル:2波・4波 エンディングダイアゴナル:1波・2波・3波・4波・5波 |
| ジグザグ | B波 |
| フラット | A波・B波 |
| トライアングル | B波・C波・D波 |

なるほど!1回の休憩(修正波)だけじゃ足りなくて、もう1回休憩を挟む…そんなイメージかな?

そんな感じ!そして、その休憩と休憩をつないでいるのが「X波」こそが、複合修正波を見分ける大事なポイントなんです。
ここからは、複合修正波の具体的な種類を見ていきましょう。
複合修正波は「つながる修正波の数」と「その内容」によって、4タイプに分類されます。
「複合修正波」の4つのタイプ

名前の「ダブル」は2つの修正波、「トリプル」は3つの修正波が連結していることを意味します。
- ダブルジグザグ(W-X-Y)
ジグザグ + X波 + ジグザグ - トリプルジグザグ(W-X-Y-X-Z)
ジグザグ + X波 + ジグザグ + X波 + ジグザグ - ダブルスリー(W-X-Y)
任意の修正波 + X波 + 任意の修正波 - トリプルスリー(W-X-Y-X-Z)
任意の修正波 + X波 + 任意の修正波 + X波 + 任意の修正波

また、これら4タイプは性質によって次の2グループに整理できます。
- ジグザグ系(ダブル/トリプルジグザグ)
ジグザグが連続するため、大きな価格調整になりやすい。 - スリー系(ダブル/トリプルスリー)
さまざまな修正波が組み合わさり、横ばいのレンジ相場が長引きやすい。
実際の相場では、「トリプルジグザグ」や「トリプルスリー」は非常に稀です。そのため、まずは 「ダブルジグザグ」と「ダブルスリー」 の2種類を理解しましょう。
「複合修正波」のX波の役割

X波は「複合修正波」を見極めるうえで非常に重要です。
特にX波は「ジグザグ」になることが多く、W波やY波に対して鋭い反発を見せる傾向があるとされています。
チャート上で「修正波の後に一度鋭い反発を挟んでから再び修正波が現れる」形を見つけたら、「X波を挟んだ複合修正波かもしれない」と仮説を立てられます。

つまり「ジグザグ」が連続して出るのが「ジグザグ系」、いろんな修正波が組み合わさるのが「スリー系」ってことだね!ダブルかトリプルかは、連結した数で決まると。

その理解でバッチリです!修正波どうしをつなぐX波が「ジグザグ」になりやすいということも重要なポイントよ。
ここでは、複合修正波の中でも価格が大きく動きやすい「ジグザグ系」の2つ、「ダブルジグザグ」と「トリプルジグザグ」を解説します。
これらのパターンは、ジグザグが2回(または3回)連続することで、価格修正がより深くなるのが最大の特徴です。

チャート上では、本来なら1回の調整で終わるはずの押し目や戻りが、もう一段階さらに深く進む形として現れます。
特に多いのが、「ここで調整は終わった」と多くのトレーダーが思うW波の終了地点から、さらに同規模の修正波(Y波)が追加されるパターンです。
このとき初めて「これはダブルジグザグだったのか」と判明するケースがほとんどです。
複合修正波「ダブルジグザグ」の特徴

- W-X-Yの副次波は3-3-3波構成
- Y波はW波の終わりを超える
「ダブルジグザグ」はW-X-Yの3つの波で構成されます。
W波が最初の「ジグザグ」、X波が間のつなぎとなる反発波、そしてY波が2つ目の「ジグザグ」です。
全体としては副次波を「3-3-3」の波としてカウントできます。
最も重要な判別ポイントは、Y波がW波の終点を明確に超える(安値/高値を更新する)ことです。
「ジグザグ」A-B-C波と仮定してカウントしていた場合、C波終点が更新されることになります。
最初の「ジグザグ」(W波)が終わった後の反発(X波)が弱く、トレンド再開に至らずに失速し、W波の終点を割り込むような動きがあれば、「ダブルジグザグ」を疑いましょう。

また、「ダブルジグザグ」では、2つの「ジグザグ」が鋭角な形で現れるため、急角度で進行する傾向があります。
X波は一時的な小さな反発に留まり、W波とY波は同程度の値動きの大きさになりやすいのも特徴です。
複合修正波「トリプルジグザグ」の特徴

- W-X-Y-X-Zの副次波は3-3-3-3-3波構成
- Y波はW波の終わりを超える
- Z波はY波の終わりを超える
「トリプルジグザグ」はW-X-Y-X-Zの5つの波で構成され、W・X・Y・Zはすべて3波構成の「ジグザグ」です。
エリオット波動の理論上、修正波の連結はこの3回が上限とされています。
また、3つ目のZ波は勢いが衰え、Y波の終点をわずかに更新する程度で終わるケースもあります。
「トリプルジグザグ」の出現は非常に稀であり、短期足で見ることはほとんどありません。
長期足で発生した場合は、歴史的な大暴落や大暴騰といった極端な相場状況で現れる程度です。そのため、理論上の可能性として頭の片隅に置いておく程度でOKです。

「ジグザグ調整が終わったかな?」と思っても、その安値(高値)をさらに更新してきたら「ダブルジグザグかも?」と疑えばいいんだね。

それが一番大事なサインです。単純なA-B-C調整で終わらず、「もしかしてW-X-Yかも?」と考えられるだけで、分析の精度はぐっと上がります!
次に解説するのは、時間的な調整が長引く「スリー系」の2つ、「ダブルスリー」と「トリプルスリー」です。
これらは「ジグザグ」のほか「フラット」「トライアングル」の横ばい型の修正波が連結することで、長期にわたるレンジ相場を形成するのが最大の特徴です。

価格は一定の範囲内にとどまるため、波形のカウントが非常に難しくなります。
「延々と調整が続いており、いつトレンド発生するかわからない」といったトレーダーを悩ませる厄介なパターンです。
このような横ばいの「複合修正波」は、市場参加者が方向感を失っている状況、たとえば重要な経済指標の発表前など「様子見ムード」が強いときに現れやすいと考えられます。
2つの修正波が連結した「ダブルスリー」の特徴

- Y波はW波が終わりを超えない
- W波とY波は異なる種類の波形になりやすい(絶対ではない)
- 「トライアングル」はY波にしかでてこないとされている
「ダブルスリー」はW-X-Yの3つの波で構成されます。
W波とY波には、「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」のいずれの修正波も出現する可能性があります 。
「ダブルスリー」では、Y波がW波の終点を超えない(高値/安値を更新しない)のが重要な目安です。
W波で作られたレンジ内でY波も推移し、結果として長い保ち合い相場となります。
また、ダブルスリーには重要な傾向があり、有力な手がかりとなります。
- オルタネーション
W波とY波は異なる種類の修正波になりやすい(例:「ジグザグ」+「フラット」) 。 - 「トライアングル」の出現位置
原則として最後のY波にしか出現しない。
この特徴や傾向から考えられるW波とY波の組み合わせは以下の5通りです。
| W波 | Y波 |
|---|---|
| ジグザグ | フラット |
| ジグザグ | トライアングル |
| フラット | ジグザグ |
| フラット | トライアングル |
| フラット | フラット |
3つの修正波が連結した「トリプルスリー」の特徴

- Y波とZ波はW波のおわりを大幅に超え
- 「ジグザグ」はW、Y、Z波いずれか1つに現れる(現れない場合もある)
- 「フラット」はW、Y、Z波のどこでも複数現れる
- 「トライアングル」はZ波にだけ出現する(現れない場合もある)
「トリプルスリー」は、「ダブルスリー」がさらに延長した、かなり複雑なパターンです。
W-X-Y-X-Zの5つの波で構成され、W, Y, Zの3つの修正波がX波によって連結されます。
「トリプルスリー」は、5つの波で構成される「トライアングル」との判別が非常に困難になります。
どちらも横ばいの調整が長引く点は共通しているので無理に断定せず、どちらの可能性も視野に入れておくことが賢明です 。

「トリプルスリー」を正確にカウントするよりも「レンジ相場が想定以上に長引いているな」と感じたら、明確にレンジをブレイクするのを待つ方が良い戦略と言えるでしょう。
また、トリプルスリーにもルールがあり、「ジグザグ」は少なくともいずれか1箇所だけ。「トライアングル」は最後のZ波にしか出現しません。
これらの特徴と傾向から考えられる組み合わせは以下の7通りです。
| W波 | Y波 | Z波 |
|---|---|---|
| ジグザグ | フラット | トライアングル |
| ジグザグ | フラット | フラット |
| フラット | ジグザグ | トライアングル |
| フラット | ジグザグ | フラット |
| フラット | フラット | ジグザグ |
| フラット | フラット | トライアングル |
| フラット | フラット | フラット |

価格が新しい高値も安値もつけずに、横ばいの動きが続いていたら「ダブル/トリプルスリーかも?」と疑えばいいんだね。

さらに、その横ばいの最後にトライアングル(三角持ち合い)が出てきたら、調整全体が終わるサインかもしれません。

複合修正波は、過去のチャートを振り返れば見分けやすいものの、リアルタイムで判断するのは難しいと感じるかもしれません。
しかし、いくつかの特徴的なサインに注目すれば、出現を早めに察知して分析の精度を高めることができます。
① 基本パターンに当てはまらないと感じたとき
これが最大のサインです。
- A-B-Cで終わるはずの調整波にもう一波加わっている
- ジグザグ(5-3-5波)にしては副次波が複雑すぎる
こうした「カウントがしっくりこない」と感じた瞬間には、「これは複合修正波かもしれない」と考える視点を持ちましょう。
② 「ジグザグ」が連続していないか?
特に「ダブルジグザグ」を見抜くときに有効な視点です。
- 上昇トレンド中の押し目で、「ジグザグ」が完了したと思った
- その後の反発(X波)が弱く、「ジグザグ」の安値(高値)を抜けてしまった
このように、反発の起点(安値・高値)を割り込む動きが2回続いた場合、「ダブルジグザグ」の可能性が極めて高いです。
③ 横ばいのレンジ相場が異常に長く続いていないか?
これは「ダブルスリー」を疑うサインです。
- 「フラット」などの調整が終わり、「そろそろトレンド再開だろう」と思っていたの方向感が出ない
- ひたすら横ばいの動きが続いている
こうした状況は、「ダブルスリー」が形成されている典型的な兆候です。
この場合は、無理にエントリーするのではなく、レンジブレイクを待つ戦略に切り替えましょう。
④ 「トライアングル」の出現位置を確認する
「トライアングル」は複合修正波の最後(Y波やZ波)に現れるという重要なルールがあります。
調整の終盤にトライアングル(三角持ち合い)が出現した場合は、「長い調整が終わり、次のトレンドが始まるサインかも」と準備できます。
一方で「トライアングル」の後にさらに波が続くようであれば、カウント自体を見直す必要があるでしょう。
⑤ 副次波の数を数えてみる
少し細かいですが、副次波の見かけの数を数えるのも有効な方法です。

- ダブルジグザグ:7つの波に見える
- トリプルジグザグ:11の波に見える
チャート上で、明らかに「山と谷が5つ以上続くような複雑な調整」が見られるなら、単純な修正波ではなく複合修正波の可能性があります。

まずは「何かおかしいぞ?」と、自分のカウントを疑うところから始めるんだね。

柔軟に考える姿勢が大切!特に、「ジグザグ」C波の更新や異常に長引くレンジ相場は、複合修正波を示す分かりやすいシグナルです。
ここまで「複合修正波」の種類や見分け方を解説してきましたが、最も大切なのは「実際のトレードでどう対応するか」です。
結論、「複合修正波」の最中には無理に利益を狙わないことです。
「複合修正波」は値動きの予測が極めて難しく、複合修正波の終盤にかけて「これは複合修正波なんだ」と分かるケースがほとんどです。
そのため「複合修正波」を先読みして、リアルタイムでエントリーしようとするのはリスクが大きい行為です。

もし、分析中に「複合修正波」の可能性を感じたら、
- 新規エントリーは見送る(様子見に徹する)
- すでにポジションを持っている場合は、早めに損切り・撤退する
このような対応が、最も現実的かつ安全な戦略といえるでしょう。
ケース1|「ジグザグ」のつもりが「ダブルジグザグ」に発展した場合
A-B-Cの「ジグザグ」が完了したと判断してエントリーしたものの、その後の反発が弱く、C波の終点(安値/高値)をさらに更新してしまった… 。
いわゆる「二段下げ」「二段上げ」が発生した状況です 。

「ジグザグ」完了を根拠として持っていたポジションは、その根拠が崩れた時点で手仕舞うべきです。
損切り位置は「ジグザグ」C波と仮定した価格となります。
ここで下手に逆張りのナンピン買い(売り)をすると、続くY波によってさらに大きな損失を被るリスクがあります。
むしろ、この局面では調整がもう一段深くなるシナリオを想定して様子を見ましょう。
ケース2|「フラット」のつもりが「ダブルスリー」に発展した場合
「フラット」の調整が終わり、トレンド再開を期待していたのに、全く方向感が出ずに延々と横ばいのレンジ相場が続いている状況です。

この場合は、焦って損切りしないことも選択肢の一つです。横ばいのレンジが続く限り、大きな含み損益の変動はありません。
レンジの上下限を明確にブレイクするまで、ポジションを維持したまま様子を見るのも有効な手です。
ただし、ポジションを長く保有することによるマイナススワップには注意が必要です。
重要なのは、レンジ相場が終わって次のトレンドが動き出すブレイクの瞬間を待ち構えることです。
ケース3| 「トライアングル」だと思ったら「ダブルジグザグ」
価格が収束していく「トライアングル」だと思って見ていたのに、予想に反してチャネルラインを大きくブレイクして値動きが加速してしまうケースがあります。
カウントの前提が崩れ、「実はトライアングルではなくダブルジグザグだった」というシナリオに切り替わった例が以下の図解です。

ラインブレイクを確認した時点で即座に撤退し、様子見に切り替えることが最善策です。
もし「トライアングルだ」と思い込んでポジションを持っていると、ブレイク方向への含み損が一気に膨らみ、損失が拡大するリスクが高まります。
未練を残してポジションを抱え続けるより、一度手仕舞うほうが結果的に冷静な判断につながります。
「複合修正波」は、トレーダーにシナリオ修正を迫る存在だと割り切ることが大切です。
自分の波形認識が崩れた瞬間に対応する柔軟さこそが、損失を最小限に抑える鉄則と言えます。
「複合修正波の終了」こそが最大のチャンス!
ここまで解説してきたように、「複合修正波」の最中は守りの姿勢が基本です。
しかし、実は「複合修正波」は大きなチャンスを生み出す局面でもあります。
なぜなら、「複合修正波」もあくまで「修正波」であり、終われば必ず元の主要トレンドに沿った推進波が再開するからです。

つまり、最も狙うべきは「複合修正波の終わり」。そのタイミングを見極めて、トレンド再開の初動に順張りで乗ることこそ、最も有効で利益の大きい戦略となります。
特に、長く続いたレンジ相場や深い調整の後に訪れるブレイクアウトは、多くの市場参加者の注目が集まるため、強力なトレンドが発生しやすいのが特徴です。
波のカウントだけでは、「複合修正波」の終わりを予測するのは難しいため、他のテクニカル指標も組み合わせて判断するのがオススメです。
以下は、ボリンジャーバンドを反映したローソクチャートです。

エリオット波動理論の修正波と推進波という知識に加えて、
ボリンジャーバンドの収縮(スクイーズ)と拡大(エクスパンション)、といった他のテクニカル分析も活用すれば、「調整の終わり」を察知する精度を高めることができます。

もし相場が予測と違う動きをして「これは複合修正波かも?」と感じたら、利益を追うよりも先にリスク管理を優先すべきなんだね。

シナリオが崩れたら撤退。長く複雑な調整は終わるのを待つ。トレンドが来たら乗る。これが複合修正波を味方につけるコツです。

ここでは、複合修正波を学ぶときに多くの方が抱く疑問を、Q&A形式で解説します。
「ジグザグ」と「ダブルジグザグ」の違いはなんですか?
調整が1回で終わるか、2回連続するかの違いです。

- ジグザグ
A-B-Cの3波で完結する単純な修正波で副次波は5-3-5波 - ダブルジグザグ
「ジグザグ」に「ジグザグ」が連結した修正波で副次波は3-3-3波
副次波に注目すると「ジグザグ」は合計3波、「ダブルジグザグ」は合計7波にも見える点でも違いがあります。
「インパルス(推進波)」と「トリプルジグザグ」の違いはなんですか?
進む方向と内部の波の構造が根本的に異なります。
「トリプルジグザグ」は、W-X-Y-X-Zの5つの部分に分かれるため、一見すると「5波動のインパルス」と見間違えやすいです。
しかし、「トリプルジグザグ」はあくまで修正波なので、上位足のトレンドと逆方向に進むのが特徴です。
さらに、各波(W・Y・Z)はで「3波構成の修正波」である点も、「インパルス」との決定的な違いとなります。
「トライアングル」と「トリプルスリー」の違いはなんですか?
値動きの形と副次波に違いがありますが、区別するのは難しいです。
- トライアングル
基本的には「ジグザグ」で構成され、高値・安値が徐々に切り上げ/切り下げられ、価格が収束または拡散していく形 - トリプルスリー
「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」のどれでも出やすく、平行レンジの中で推移するケースも多い
「トライアングル」も「トリプルスリー」も調整が長引く横ばい相場である点は共通しているため、無理に断定せず、レンジブレイクを待つのが現実的な戦略です。
「複合修正波」が終わったかどうか、どうやって確認できますか?
レンジやチャネルの明確なブレイクアウトが、終了を示す代表的なサインです。
- 例1:「ダブルスリー」であれば、レンジの価格帯を力強く抜けた時
- 例2:「ダブルジグザグ」であれば、チャネルラインをブレイクした時
こうした動きが、新しい推進波(第1波)の始まりと判断できるポイントになります。
もちろん100%の確信を持つのは難しいですが、ブレイクアウトが最も分かりやすく信頼できる確認方法といえるでしょう。
また、他のテクニカル指標を使ってトレンド発生を早期に予測する方法も有効です。
例)移動平均線のゴールデンクロス/ボリンジャーバンドのエクスパンション等
「複合修正波」の最中にトレードしても勝てないのですか?
勝率はどうしても下がりやすいです。
特に、スリー系の「複合修正波」は相場が方向感を失っており、だましの動きも頻発します。
- トレンドフォロー手法は機能しにくい
- 逆張りも「どこまで調整が続くのか」が読めず、リスクが高い
という状況になります。
したがって、複合修正波を感じたら無理にトレードせず、「休むも相場」と割り切ることが最善の戦略です。
トリプル系まで完ぺきに覚える必要がありますか?
いいえ、実践では「ダブル系」を重点的に理解すれば十分です。
「トリプルジグザグ」や「トリプルスリー」の出現頻度は極めて稀とされています。
まずは、可能性の高い「ダブルジグザグ」と「ダブルスリー」を確実に見分けられるようにすることが優先しましょう。
もし実際の相場で「ダブルでも説明がつかないほど調整が長い」と感じたときに、トリプルの存在を思い出せればOKです。
エリオット波動の中でも難解とされる「複合修正波」ですが、本記事で紹介したポイントを押さえれば、決して恐れる必要はありません。
「ジグザグ」や「フラット」に当てはまらない変則的な調整に直面したとき、「もしかして複合修正波かもしれない」と発想できるかどうかで、相場分析の精度は大きく変わります。
「複合修正波」の重要ポイント

- 複合修正波の種類
・価格を大きく押し戻す「ジグザグ系(ダブル/トリプルジグザグ)」
・時間をかけて横ばいになる「スリー系(ダブル/トリプルスリー)」 - 覚えておきたいルール
・修正波をつなぐ「X波」はジグザグになりやすい
・「トライアングル」は調整の最後にしか現れない - 最大の攻略法
・複合修正波の最中は無理にポジションを持たない
・調整終了後のトレンドに乗るのが最善の戦略
複合修正波を理解することで、エリオット波動カウントの精度は飛躍的に高まり、「なぜここでトレンドが再開しないのか?」といった疑問にも答えを見出せるようになります。
複合修正波の知識を頭に入れておくことで、一見ランダムに見えるレンジや延長波にも振り回されず、一歩進んだ冷静な相場観が身につくはずです。
また、エリオット波動理論をより本格的に学びたい時は、次に紹介する書籍を1冊手元に置いておくと便利です。
エリオット波動理論を学ぶならこの書籍!
初心者でもわかるように丁寧に解説、読みやすく図解された1冊。
一読してすべてを理解するのは難しいですが、何度も読み返して現在の相場にアウトプットしていくことで、エリオット波動理論の考え方が身についていくでしょう。

ケーススタディや代表的なトレード戦略も載っています!
18銘柄、250の検証実例が収録されています。
エリオット波動理論の基本的な知識はもちろん、各エリオット波形の事例が紹介されており、どのように分析やトレードをしていくか参考にすることができます。

章ごとに復習問題も用意されており、まさに教科書って感じです!




