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エリオット波動理論は、相場の値動きを「推進5波 → 修正3波のサイクル」で捉える手法です。
エリオット波動には、市場参加者の期待・楽観・不安・恐怖といった群集心理の変化が反映されていると考えられています。

本記事では、エリオット波動の第1〜5波(トレンド相場)と A〜C波(調整相場)の典型的な特徴と相場心理をわかりやすく解説します。
各波の特徴を理解することで、今の相場で以下の3つの行動のどれをすべきか判断できるようになります。
- 順張り:トレンドに沿って攻めるべきか
- 逆張り:転換点を狙うべきか
- 様子見:リスクを避けて静観すべきか
本記事では説明をシンプルにするため、上昇トレンドを例に「1〜5波の推進 → A〜C波の修正」という形で解説していきます。

エリオット波動って、単なる値動きのパターン分析だと思ってた。投資家の心理まで反映されているんだね!

むしろ「群集心理が形となって現れる」のがエリオット波動の本質です。各波の特徴を知れば、値動きの裏側の群集心理を予測できます。
エリオット波動理論は「相場は5つの推進波と3つの修正波 で1サイクルをつくる」という考え方です。
各エリオット波動のパターンには、投資家の集団心理の変化が色濃く反映されています。
この理論は「チャートパターン=群集心理」という前提に立っているのです。

推進波(1~5波)の特徴
トレンドが進行する過程で形成される5つの波です。
上昇トレンドなら、1波から5波までの流れで高値を更新していきます。
- 1波:新しいトレンドに半信半疑
- 3波:トレンドに確信を持つ
- 5波:トレンドに熱狂する
市場参加者の典型的な心理としては、上記のように1→3→5波とトレンドに対する強気が高まっていきます。
修正波(A~C波)の特徴
推進波のあとに訪れる調整局面です。
1~5波のトレンド方向とは逆方向にA~C波の3波で値動きを基本的にします。
- A波:トレンドの熱狂から覚めはじめる
- B波:トレンドに楽観と疑いが混じる
- C波:トレンドに対して悲観的になる
調整局面での市場参加者の心理は、これまでのトレンドに対する楽観が悲観へと切り替わります。
ただ波形を暗記するのではなく、「各波にどんな心理が反映されているのか」 を理解することこそ、エリオット波動をさらに使える武器にできます。

ただ「5回上がって3回下がる」というシンプルなパターンじゃないんだね。1つひとつの波に意味があるんだ!

大事なのは各波の傾向から「今の波で、市場参加者はどんな気持ちで動いているのか?」を考えることです。

次にどんな値動きが来やすいかを読む大きな手がかりになるのよ。
ここからは、新しいトレンドが始まって終わるまでに現れる推進波(1~5波)を解説します。
各波にはそれぞれ特有の値動きと群集心理が反映されやすく、
- どの段階でトレンドが強まるのか
- どこで参加者が熱狂や警戒に傾くのか
を読み解くことで、現在の相場がトレンドのどこに位置しているのかを判断しやすくなります。
本章では上昇トレンドを例に第1波から第5波まで順に説明します。
エリオット波動1波の特徴と心理|新しいトレンドの始まり
第1波は、下降トレンドの終わりにひっそり現れる「新しい上昇トレンドの芽」。
しかし、多くの投資家はまだ弱気のため、リアルタイムで見極めるのは難しい波です。

市場全体は依然として弱気ムードです。
多くの参加者が「どうせまた下がる」と考えており、上昇を本格的な反転とは見ません。
まだ下降トレンドだろう。ここは戻り売りチャンス!
この上げは一時的な反発に過ぎないだろう
これ以上、含み益が減らないうちに利確しよう
トレンド転換を考えるものの自信を持てず、売り手も活発的に動きます。
多くの場合、後から第2波が出現した時点で「あの上げが1波だったのか」と気づかされます。

- 直前の下降トレンドを否定するような大きな反発
- 決済注文の集中によって急反転(急騰・急落)が起こることがある
- 出来高は3波や5波に比べて小さめ
- 徐々に「下落ではなく上昇を支持する動き」が増え始める
また、リアルタイムで捉えるのは難しいですが、ヒントはあります。
上昇トレンドの場合のサイン
「安値圏でのダブルボトム形成」「ダウ理論で考える下値の切り上げ」
こうしたサインを見た経験豊富なトレーダーは、第1波の可能性を意識して早めに参入します。
初動で第1波を捉えられれば、その後の大きなトレンドを先取りできるという大きな優位性があります。
エリオット波動1波目には推進波として、以下の2種類の波形が出やすいです。
- リーディングダイアゴナル
くさび形の波形。逆張りの売り圧力が強い場面で出やすい。 - インパルス
勢いが強いと直線的に伸びるケースで出現する。

1波は後から振り返って気づくことが多いんだね…リアルタイムで見抜くのはかなり難しそうだなぁ。

無理に1波の初動を完璧に取ろうとしなくても大丈夫。

むしろ「1波かもしれない動き」が出た後の2波の押し目を待つ方が、トレードの精度はずっと高くなりますよ!
エリオット波動2波の特徴と心理|価格調整で市場を揺さぶる
第2波は第1波の上昇を大きく打ち消す「調整の波」。
一見すると上昇転換が失敗したように見えますが、実は次の「第3波」への土台を作る重要な局面です。

依然として弱気心理が支配的で新規の売りが殺到しやすいです。
1波で買っていた人も投げ売りに走るため、急落が起こりやすくなります。
ちょっと買ってみたけど、上がってるうちに利益確定しておこう…
やっぱり下降トレンドが続いてそうだな。
最安値を更新するかもしれない…
結果的に、多くの場合 50〜61.8%押しと深い調整となりますが、安値更新には至りません。

- 前のトレンド方向に勢いよく進む
- 第1波の始点を絶対に割らない(割ったらカウントを見直す必要あり)
- 出来高は第1波より減少する傾向
- オシレーター系指標が陽転するなど、下落の勢いに陰りが出るケースもある
第2波が安値を割らずに終われば、「やはりトレンドは転換した」と心理が強気に傾き、次の第3波の爆発力につながります。
逆に、ここで1波の価格を更新してしまうと、まだ前のトレンドが続いていると判断しなければなりません。
また、下落レベルによる相場の状況の予測も以下のようにできます。
- 76.4%押し: 売りの勢いが非常に強い
- 50~61.8%押し: 最も一般的な修正レベル、多くの投資家が注目
- 38.2%押し: 押しが浅く、上昇トレンドへの期待が強い
エリオット波動2波目には以下のような修正波が発生しやすく、とくに価格修正力の強い「ジグザグ」系が出やすいです。

うわぁ…1波の上昇が半分以上が帳消しになることも多いんだ。こんな動きを見たら、「やっぱり下落トレンドが続いてるな」って思っちゃいそう。

多くの人がそう考えるからこそ、2波は深く落ちやすいんです。でも大事なのは「1波の安値を割らない限り、上目線は崩れていない」ということ!
エリオット波動3波の特徴と心理|最も力強い推進波
第3波はエリオット波動理論の主役。推進波の中で最も力強く、大きく値幅を伸ばす局面です。
特に「インパルス」のルールでは、「1・3・5波の中で最短にならない」とされ、一般的に最も大きな値動きとなることが多いです。
トレンドフォロー戦略の王道ターゲットと言えるでしょう。

第2波で安値を割らなかったことで市場に安心感が広がり、一気に買いが殺到します。
戻り売りしていた投資家の損切り(買い戻し)も重なり、上昇に拍車がかかります。
上昇トレンドに完全に変わった!
これはダマシかも…いやでも、損切りしないとヤバそう!
ちょっとでも下がったら買い支えるぞ!
さらに、経済指標や要人発言がトレンドを後押しするケースも多いです。
市場は「もっと上がる」「押し目はすべて買い」という楽観と欲望に包まれ、出来高も急増。強気一色の相場に転じます。

- 疑いの余地なく、新しいトレンド方向へまっすぐ伸びる
- 経済指標やニュースがプラス材料となりやすい
- フィボナッチ・エクスパンション
第1波の161.8%まで伸びやすく、 勢いが強い場合は261.8%まで価格が伸びることもある - 移動平均線など他のテクニカル指標も明確にトレンドを示しやすい
第1波と第2波の値動きをしっかり確認し、他の分析と併用して第3波を狙うのがエリオット波動の鉄板戦略です。
移動平均線など他のテクニカル指標でもトレンドを示すことが多く、様々な手法でトレンド優勢を示しやすいです。
エリオット波動3波に出やすい波形は「インパルス」です。
エリオット波形の中でも最も大きくトレンド方向に値動きをするので、逆張りはNGです。
「インパルス」の特徴を理解して、順張り戦略をとってトレードしていきましょう。
関連記事:推進波「インパルス」をトレードに活かす実践ポイント

ここが一番利益を狙いやすい、いわゆるボーナスステージなんだね。2波の恐怖を乗り越えた後のご褒美みたい。

そのチャンスを掴むには、2波の段階で「1波の安値を割っていないか」を冷静に確認し、勇気をもってエントリーすることが大切なんです。
エリオット波動4波の特徴と心理|時間調整でトレンドが一服
第4波は「第3波の熱狂のあとに訪れる中休み」。
価格よりも“時間”を使って調整する傾向が強く、次の第5波へ備える準備期間です。
下落幅は浅く、横ばいのレンジ相場を形成しながらゆっくりと時間をかけて調整する傾向があります。

市場全体は依然として強気ムードですが、第3波での急騰による達成感から利益確定の売りが出ます。
上昇トレンドは終わったっぽい?利益を確定しておこう
まだ上昇余地がある。押し目は絶好の買い場だ!
結構上がったし、一旦様子を見ようかな~
「トレンドは続くだろう」と安心感が支配的で、悲観はほぼありません。
むしろ強気派は「押し目買いの好機」と構えており、下落は浅く留まりやすいです。

- 時間調整
第2波のような急落ではなく、横ばいレンジや持ち合いで時間をかけて調整しやすい - 調整幅の目安
第3波の38.2%程度の押しに収まるケースが多い。また、直前の第3波内部の副次波(ⅳ)波付近で止まりやすい。 - レンジがブレイクしない限り、横ばいの値動きが続く
- 経済指標や要人発言への反応は鈍く、方向感に欠ける
この第4波が第2波の重ならない場合は、全体として推進波「インパルス」を作っていると予測できます。
逆に第4波が第2波に重なった場合は、推進波「ダイアゴナル」を作っていると予測できます。
エリオット波動4波には横ばいの修正波である「フラット」「トライアングル」が出やすいです。
全体として推進波「インパルス」を作っている場合は、オルタネーションの法則により、第2波で「ジグザグ」が出たときには、第4波は横ばい系(フラット・トライアングル・ダブルスリー)が現れやすくなります。
これらは「ジグザグ」と比べて複雑な値動きで、限定的な値幅となるので、利益を狙うことは難しいでしょう。

2波みたいに勢いよく下がるんじゃなくて、横ばいの動きになりやすいんだね。方向感がなくて、正直トレードしづらそう。

4波は無理に利益を取りにいく局面ではありません。「休むも相場」という言葉がピッタリな波なんです。
エリオット波動5波の特徴と心理|トレンドの終わり
第5波は1波から続いたトレンドの最後の推進波です。
価格は新高値をつけに行くものの、第3波ほどの勢いは維持できず、伸び悩むケースもあります。
場合によっては第5波が延長(延びすぎる)したり、逆に第3波の高値に届かず失速する「フェイラー(未達成波)」になることもあります。

市場全体は強気一色で、トレンドに乗り切れず取り残さる不安に駆られる人も次々と飛び乗り、過熱感はピークに達します。
よし、新たに順張りで利益を狙うぞ!
十分な値幅が取れたし、そろそろ利益を確定しよう
さすがに上がりすぎだ、ここは逆張りだ!
一方、経験豊富な投資家は、出来高の減少やローソク足の実体縮小、オシレーターのダイバージェンスといった兆候を手がかりに、終焉を警戒し始めます。

- ストップロスの巻き込み
トレンドの最後として一時的に大きく動くケース。「5波が出た=すぐ下降」とは限らならず、早まった売りは延長5波で踏み上げられるリスクになる。 - 「フェイラー」の可能性
第3波の高値を超えられず失速するケース。ダブルトップ形成はフェイラーの強いサインになる。
エリオット波動5波は「ストップロス」と「フェイラー」の2つの可能性から価格が期待通りに上昇するかの判断が難しいです。
この波で安易に飛び乗り買いをすると、最高値でポジションを持ってしまう「高値掴み」になりかねないため、注意しましょう。
エリオット波動5波には以下の2つの推進波が出やすいです。
- エンディングダイアゴナル
トレンド終盤の典型。副次波は3-3-3-3-3の構成。出現すればトレンドの終わりが目前である強力なサイン。 - インパルス
強気が続き最後の買いエネルギーが爆発した場合に出現。ただし、その後のA波で一気に逆行しやすく、対応が遅れると損失拡大につながる。

市場が一番楽観的なムードの時が、実は一番危ないんだね。どこでトレンドが終わるのか、見極めるのには苦労しそう。

第5波は「積極的に利益を狙う波」というより、むしろ「いつ手仕舞うか」を考える段階です。

最後の値幅を欲張るよりも、トレンド転換のシグナルを見極めて、次の下落に備える方が賢明な戦略ね!
第5波でトレンドがピークに達すると、市場は A波・B波・C波 の3つで構成される「調整局面」に入ります。
楽観から悲観へと市場心理が転換していくプロセスを反映した値動きです。

修正波の基本的な役割
- A波:トレンド転換初期の混乱
「まだ上昇が続くのでは?」という期待が残る中で下落が始まり、市場に戸惑いが広がる。 - B波:“だまし”の戻り
一時的に上昇するが、本格的な反転ではなく、多くの投資家を楽観に引き戻す“トラップ”。 - C波:本格的な反転下落
楽観が完全に崩れ、悲観が市場を支配。最も勢いが強く、A波の下値を割り込んで明確な下落トレンドに転じる。
上記のようにA~C波は、異なる役割と個性を持っています。
上昇トレンドの後に訪れる下降修正を例に挙げて、それぞれの波の値動きと投資家心理を解説していきます。
エリオット波動A波の特徴と心理|調整局面のはじまり
A波は5波まで続いた上昇トレンドに区切りをつける「最初の下落」。
しかし、多くの参加者には「一時的な押し目」と誤解されやすく、本格的な反転だと認識されにくい波です。

市場にはまだ楽観ムードが残っており、多くの人は「押し目」と判断します。
これは一時的な調整だろう。押し目買いのチャンスだ!
含み益が減る前に利益を確定しておこう
上昇トレンドは終わったっぽい。ここから逆張りだ!
ただし、5波の終盤に「エンディングダイアゴナル」「フェイラー」「オシレーターのダイバージェンス」といった転換シグナルが出ていた場合、敏感なトレーダーはトレンド転換を察知して売りや利確を進めます。
このため、市場は「まだ上がる派」と「もう下がる派」に二分されやすいです。

- 「ジグザグ」の鋭い下落になることが多い
「ダブルジグザグ」で大きく下げるケースもある - 良いファンダメンタルズ材料が出ても無視されやすい
- 浅い調整が期待されるものの、結果的に5波の値動きを大きく打ち消すこともある
→ 5波終盤で買いを入れた投資家の「高値掴み」が発生しやすい
A波を単なる押し目と見て買い向かうのは非常に危険です。
5波に対して大きな反発があった時には、安易に逆張りしないことが重要です。
見極めのポイントは、5波の天井圏で転換のサインが出ていたかどうかです。
- テクニカル指標の下落サイン
- ローソク足の陽線が弱い(出来高不足)
- チャートパターン(ダブルトップ、エンディングダイアゴナル等)
などのサインがあった後の最初の下落は、単なる押し目ではなくA波である可能性を疑う必要があります。
エリオット波動A波の副次波は、その後の値動き(全体としてどの波形パターンになるか)を予測するヒントになります。
- A波が5波動構成(インパルス・ダイアゴナル)
→ 今後はジグザグ(5-3-5)型になる可能性が高く、大きな調整が予測される。 - A波が3波動構成(ジグザグ・フラットなど)
→ 今後はフラット(3-3-5)、トライアングル(3-3-3-3-3)あるいは、「ダブルジグザグ」「ダブルスリー」の複合修正波など複数の可能性がある。
※ 複合修正波の場合はA波ではなくW波としてカウントするのが通例

ここが、いわゆる「押し目買い」で飛び乗ると危険なポイントなんだね。「絶好のチャンスだ!」と思ったら、実は下落の始まりだった、なんて…。

だからこそ、第5波の段階で天井サインを見つけて「次の値動きは”A波”かもしれない」と疑う視点はとても大切です。
エリオット波動B波の特徴と心理|“だまし”の波に要注意
B波はA波の下落に対する一時的な戻りで、典型的な ブルトラップ(強気の罠)。
表面的には上昇トレンドが再開したように見えますが、その後に控えるC波の本格下落に向けた「偽りの上昇」です。

市場全体では再び強気が優勢になり、楽観ムードが広がります。
一方で少数ながら「いや、トレンド転換している可能性がある。動きがおかしい…」と戸惑う声もあり、疑念も入り混じります。
やっぱり上昇トレンドは続いてるじゃん!
順張りで高値更新を目指して狙おう!
トレンド転換してそうだよな…なんだかおかしい
この反発は、ボラティリティが第5波よりも減少するなど力強さを欠き、冷静に見れば「本物ではない」兆候が潜んでいます。
多くの参加者は押し目と勘違いして買い向かいますが、これは次のC波で大きな損失を生む落とし穴です。

- A波とは逆方向、5波と同じ方向に動くため「トレンド再開」と誤解されやすい
- ファンダメンタルやテクニカルが噛み合わず、「なぜ上がっているのか説明しにくい」場面が多い
- B波の戻り方は大きく2パターン
基本的なケース:5波の終点まで戻らずに失速する
例外的なケース:5波の高値付近まで戻す
もしB波が5波の高値を明確に超えていく場合は、「拡大フラット」や「拡大トライアングル」など特殊な修正波を形成している可能性が考えられます。
一時的に5波の高値すら超えてしまうので、より「だまし」として意地悪な値動きです。
こういったエリオット波動の例外波形も知っておくことで、相場にだまされない力が身につきます。
エリオット波動B波は基本的に副次波が3波動となり、以下のいずれかが現れるでしょう。
- ジグザグ
- フラット
- トライアングル
- 複合修正波
また、B波が5波の高値まで戻るか否かは、A波の副次波の数によって絞り込めます。
A波が5波動の場合

A波が5波動になる修正波は「ジグザグ」に限られます。(ジグザグの副次波は5-3-5構成)
よって、全体として「ジグザグ」を形成しており、B波はいずれの修正波でも5波の高値まで戻らないと予測できます。
A波が3波動の場合
A波が3波動であった場合は、B波は5波の高値まで戻る可能性があります。
B波が高値まで戻った場合は、「フラット」「ランニングトライアングル」「アセンディングトライアングル」といった波形の可能性が考えられます。

また、B波が高値まで戻らなかった場合は、「トライアングル」や「ダブルジグザグ」の可能性があると予測できます。

このようにA波とB波の値動きの組み合わせをヒントに、全体として作られている修正波の波形を予測することができるようになります。
どの波形が作られているかを絞れると、その波形の特徴から次のC波の値動きもどのようになるか予測できます。

本当に意地悪な波だね。「良かった、トレンド再開だ!」と安心して買った瞬間に、C波の急落に巻き込まれる未来が見える…

B波は最もトレーダーをふるいにかける波ね。“だまし”に気づけるか、気づいた時点で損切りをできるかがトレードの明暗を分けます。
エリオット波動C波の特徴と心理|1~5波のトレンドを破壊する波
C波は修正波の最後の波であり、調整局面の中で一番強烈な値動きをしやすい波です。
B波の「だましの上昇」から一転して急落し、A波の安値を下回ることで、前トレンドの終焉を決定づけます。
市場心理を一気に悲観へと傾け、1~5波で積み上げた上昇トレンドを「完全に破壊する波」とも呼ばれます。

B波まで強気だった市場は、C波の猛烈な下落で完全に希望を打ち砕かれます。
含み損がどんどん増えていく…もう損切りもできない…
上昇トレンドは終わってたんだ!ここで切るしかない
やっぱり前の下落の時点でトレンド転換してたんだ!
特にB波で買いに飛び乗ったトレーダーは高値掴みとなり、損切りや強制ロスカットが雪崩のように発生します。
これがさらなる下落を招き、セリングクライマックス(ロスカット狩り)のような現象が起こることもあります。
市場全体は極度の悲観・投降モードに陥り、「下降トレンド入り」を誰もが確信する状況です。

- A波の安値を明確に割り込み、下降トレンドを確定させる
- 1~5波のトレードに対して明確な悪材料(ファンダメンタルズ)が伴いやすい
- B波で捕まった投資家のロスカットが連鎖し、下落が加速しやすい
- 時間軸の違いに注意
短期足:A波の安値を割らず「フェイラー」となるケースもある
長期足:日足や4時間足では、大幅下落となりやすい
基本的にC波は修正局面の「本番」であり、下降トレンドを決定づけます。
その一方で、C波の終了点は次の新たな推進1波の起点にもなります。
十分下落した後は過度に悲観せず、反転上昇の兆しを探していくことが重要です。
A波とB波の組み合わせで予想できる波形によって、C波に出やすい波形は変わってきます。
「ジグザグ」「フラット」が予想される場合
A-B-C波で作られている波形が「ジグザグ(5-3-5)」「フラット(3-3-5)」の場合、いずれのC波も5波動となります。
よって、「ダイアゴナル」または「インパルス」が現れると予測できます。

「トライアングル」が予想される場合
A-B-C波が「トライアングル」形成中の場合は、3波動の修正波が現れます。
「ジグザグ」「フラット」「ダブルジグザグ」が現れやすいです。また、D波とE波の修正波が続いていきます。

「複合修正波」が作られている場合
「複合修正波」は、事前に予測することは難しいですが、頭の片隅に置いておく必要はあります。
「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」とは異なる値動きのパターンが出た場合に、「複合修正波」の可能性を疑いましょう。

「複合修正波」ではW-X-Y波とカウントし、C波に相当するY波は以下の修正波になる可能性があります。
- ダブルジグザグ:Y波→「ジグザグ」
- ダブルスリー:Y波→「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」
関連記事:エリオット波動の「複合修正波」とは?特徴・種類・戦略を解説

B波で希望を持たせておいて、C波で一気に絶望に突き落とすんだね。損切りが連鎖して、相場が崩れていく様子が想像できるね。

C波は多くの人が市場から退場させられる場面です。でも皮肉なことに、みんなが絶望しているC波の終点こそ、次のトレンドの始まり(第1波)に繋がるんです。
これまで解説してきたように、相場は基本的に推進5波・修正3波(A-B-C)のサイクルで動きます。
しかし、例外的に「トライアングル」は5つの波(A-B-C-D-E)で構成されます。

「トライアングル」は、市場が方向感を見失い、価格の値幅は徐々に縮小し、時間をかけて「持ち合い」を形成するのが特徴です。
A波とB波の特徴はこれまでの解説と概ね共通していますが、C波以降の動きが異なるため、ここで補足して解説します。
「トライアングル」形成中の相場参加者の心理
「トライアングル」が出現している時の市場心理は、一言でいえば「迷い」です。
判断材料がなくて、買いも売りも仕掛けにくい…
トレンドはどっちなんだ?よくわからなくなってきた
だんだん値動きが小さくなってきた。一体どっちに進むんだ?
A波とB波の上下する値動きに振られるうちに、参加者は方向感を見失っている状況です。
判断材料となるようなファンダメンタルズも乏しく、強気派も弱気派も決め手を欠いたまま、値動きが徐々に収縮していくのを固唾をのんで見守っている状態です。
売りと買いが均衡になっているため、上下に振られてA-B-C-D-E波とだらだらと横ばいの相場を作っていきやすいです。
エリオット波動「トライアングル」のC・D・E波の特徴
通常のC波が力強くトレンドを破壊するのに対し、トライアングルの中のC波は勢いに欠け、複雑で長期化しやすい傾向があります。
「ダブルジグザグ」など、内部構造が複雑な修正波が現れることもあります。
D波は、B波と同じ方向に値動きするため、一瞬トレンドの再開を期待させる「だまし」の動きを見せます。
しかし、その値動きは弱々しく、B波の高値(または安値)を超えることなく失速するのが特徴です。
E波は、トライアングルの最後の波であり、最後の「だまし」を仕掛けてきます。

A波とC波を結んだトレンドラインを一時的にブレイク(スローオーバー)するため、多くのトレーダーが「いよいよトレンド発生だ!」と飛び乗りますが、これは罠です。
E波はC波の終点を更新することなく反転し、その反発した値動きこそが、次の本物の新トレンドを形成していくのです。

「トライアングル」は本当に「迷い」と「だまし」の連続なんだね。上下に振られる動きでトレードしようとすると、無駄に消耗してしまいそう。

もしも「トライアングルでは?」と思ったら、利益を狙わずに完成を待ちましょう。E波が終わるまで焦らず観察するのが大切です。

ここでは、エリオット波動の各波の分析や相場心理を考える上で、多くのトレーダーが抱きやすい疑問についてQ&A形式でお答えします。
修正波B波が、5波の高値を超えたらどう考えるべきですか?
カウントミスの可能性と「拡大フラット」など特殊な修正波の可能性を疑いましょう。
カウントミスの可能性もゼロではありませんが、「拡大フラット」や「ランニングフラット」といった例外パターンもあります。
特に「拡大フラット」は、B波が5波の高値を超えて「トレンド再開だ!」と市場に誤解させた後、C波がA波の安値を大きく割り込んで急落する非常にトリッキーな動きになります。
したがって、B波が高値更新しても安易に上昇継続と判断するのは危険です。
下降トレンドでも、同じような特徴や相場心理を考えて大丈夫ですか?
はい、値動きと心理をすべて逆に考えればOKです。
下降トレンドの場合は「下降5波(推進波)」と「上昇3波(修正波)」で1つのサイクルを形成します。
例えば、第1波は「下落の始まり」となり、市場がまだ上昇を楽観視している中で静かに下げが始まるイメージです。
基本的に、上昇で解説した各波の心理を逆に当てはめれば理解できます。
エリオット波動に「下降する5波動」はあり得ますか?
はい、下降5波動はよく出現します。
大きく分けて2つのケースがあります。
- 下降トレンドそのものを形作る推進波(1~5波)
- 上昇トレンド中の修正波(ジグザグなど)に含まれるA波・C波の副次波
エリオット波動はフラクタル構造なので、大きな流れの中に小さな下降5波が組み込まれる場面は多々あります。
短期の時間足でもエリオット波動や相場心理の予測は有効ですか?
基本的には有効ですが、短期足ほどノイズに注意が必要です。
時間足が短くなるほど、ランダムな値動き(ノイズ)の影響を受けやすくなります。
そのため、多くの参加者の総意である「群集心理」は、日足や4時間足といった中・長期足の方がより綺麗に反映されやすい傾向があります。
短期足での分析は、長期足で大きな流れを把握した上で行うのがおすすめです。
本記事では、エリオット波動の推進5波・修正3波の特徴と典型的な相場心理について詳しく解説しました。
各波には「始まりの波」「だましの波」「破壊の波」などといった特徴があります。
これらを理解することで、今の相場がトレンド中なのか、それとも転換点に差し掛かっているのかを見極めるヒントが得られます。
エリオット波動の各波の「特徴」と「相場心理」まとめ

| 波のカウント | 特徴 |
|---|---|
| 1波「始まりの波」 | 静かにトレンド転換が始まるが、多くの人はまだ気づかない。 |
| 2波「価格修正の波」 | 1波に対して深い戻しで、市場に不安をもたらす。 |
| 3波「強力な推進波」 | トレンドが本格化し、最も大きく価格が伸びる主役の波。 |
| 4波「時間修正の波」 | トレンドの中休み。方向感が乏しいレンジ相場になりやすい。 |
| 5波「終わりの波」 | 市場が熱狂する中で、トレンドが最後を迎える。 |
| A波「トレンド転換の波」 | 5波までの上昇に対して、大きく反発する値動き。 |
| B波「だましの波」 | 「トレンド継続」と誤解させ、多くの参加者を罠にかける戻り。 |
| C波「破壊の波」 | B波の戻りを打ち消し、トレンド転換を決定づける強烈な下落。 |
相場においては、順張りで波に乗るべきか、逆張りを警戒すべきか、あるいは「休むも相場」で静観すべきか。
その判断精度を高められるのが、エリオット波動分析の最大の強みです。
「波の個性」と「相場心理」を意識して、チャートの向こうにいる群集心理を読み取りましょう。
ぜひ、あなたのトレード戦略にもエリオット波動理論を役立ててみてください。
エリオット波動理論を学ぶならこの書籍!
初心者でもわかるように丁寧に解説、読みやすく図解された1冊。
一読してすべてを理解するのは難しいですが、何度も読み返して現在の相場にアウトプットしていくことで、エリオット波動理論の考え方が身についていくでしょう。

ケーススタディや代表的なトレード戦略も載っています!
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エリオット波動理論の基本的な知識はもちろん、各エリオット波形の事例が紹介されており、どのように分析やトレードをしていくか参考にすることができます。

章ごとに復習問題も用意されており、まさに教科書って感じです!




