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エリオット波動理論は「相場は推進波と修正波を繰り返し、1サイクル8つの波により形成される」という考え方のもと、相場のトレンドや値動きを理解するための有効なテクニカル分析です。
その理論の成り立ちは「相場は人間の心理状態が波に反映されるという」仮定に基づいており、各波形カウントは集団心理と結びついていると考えられています。
【FX】エリオット波動理論とは?基礎知識をわかりやすく解説!「上がれぇぇ!」「含み損が…どうしよう」「これ以上下がらないでしょ」みたいな思考や感情が値動きに現れるってこと?
だいたいそんな感じね。相場参加者が期待や不安を持って起こした売買が値動きとして反映されるのよ。
エリオット波動理論の知識を用いて、各波の特徴と相場心理を想定することで、
- 市場の動きに沿ったトレードを行うべきか
- 逆に市場の動きに逆らうトレードを行うべきか
- あるいは一時的に手を出さずに様子を見るべきか
といった判断を下すことができるようになります。
「休むも相場」という言葉もありますが、「休みどころは今か?」の判断材料にできます。
この記事では、エリオット波動のカウントごとに推測される為替相場の集団心理を解説します。
説明を分かりやすくするために、上昇トレンドの1~5の推進波→下落調整のA~Cの修正波で作られる相場を例にしてお話を進めます。
エリオット波動理論の中で、1波は新たなトレンドの出発点としての役割を果たします。
表面上はまだ下降トレンドが続いているように見えるが、実際には市場が新たな上昇トレンドへと転換している状況です。
市場参加者の心理としては、以下のような推測が主流となるでしょう。
下落トレンドがまだ続いている
この上昇は一時的なものに違いない!
もう利益確定しようかな
この段階では、市場のファンダメンタルズが弱いと見られる状況が多いのも特徴です。
とはいえ、推進1波は下落トレンド中の価格調整の上昇とはことなり、以下のようないくつかの特徴を持ちます。
- 大幅な上昇陽線が出現する
- 買い方向への支持が増える
- 大幅な下落後にショートカバー(空売りポジションの決済)による急上昇
1波は予想外に突然発生することがあるため、その発生初期に取引を開始するのは難しいとされています。なぜなら、逆張り取引は高リスクとされるためです。
一般的には2波目が形成されて完成した時点で初めて、先の上昇波が1波であると判断できることが多いです。
「1波の開始」は「下降トレンドの終わり」と見なすこともできます。
なら、「1波を探す」よりも「C波の終わりを予測」する方が確実かもね。
エリオット波動理論における2波は「大幅な価格修正」が生じる可能性が高い波です。
1波で上昇した価格が、下落トレンドを予想している参加者の「戻り売り」により、大きく修正されるのが典型的な動きとされています。
市場参加者の考えとしては、以下のような疑問や不安が浮かび上がることでしょう。
上昇したと思ったら、再び激しい下落が始まった
やはりまだ下降トレンドが続いているな!
最安値を更新するかも…
しかし、2波における価格の修正が大きいとはいえ、この波は原則として1波の始まりを超えて下落することはありません。
2波が終わるポイントは1波のフィボナッチを利用して判断することが一般的です。
・23.6%~38.2%まで下落:売りの勢いが強いと判断できる
・50.0%~61.8%まで下落:一般的な修正レベルで多くの投資家が注視する
・76.4%まで下落する:価格修正力が弱く、上昇トレンドへの期待が強い
もし1波の始まりまで下落した場合は、波形カウントが誤りで再分析する必要があります。
エリオット波動理論の中で「最大の価格上昇」を引き起こす可能性が高いのが3波です。
2波が1波の始まりを超えなかったことから、市場参加者の間でトレンドが転換したとの認識が広まります。
価格が上昇する例では、新たな取引が多く発生して買い注文側に偏るとともに、売り側の損切りが起こり、結果として価格が大きく押し上げられます。
市場参加者の心理としては、以下のような期待や不安が渦巻いているでしょう。
トレンドが変わった!
価格が下がったところで買い支えしよう
下落し続けたし、だましの上昇なんじゃないの?
また、ファンダメンタルやテクニカルな観点からも、上昇トレンドを裏付けるような指標が現れたり、強気を示す発言や買い信号が出ることが多いです。
3波の典型的な目標価格は、1波の上昇幅のフィボナッチ数列の161.8%に相当する価格ラインです。
波形が「インパルス」の場合は「延長(エクステンション)」が起こる可能性があり、161.8%を超えて上昇すると次の目標となる261.8%の価格帯になるでしょう。
もちろん、「ダイアゴナル」となる場合もあります。
エリオット波動理論の中で「時間的な修正波(価格が横ばい)」として現れる可能性が最も高いのが4波です。
3波の動きが一時的に停滞し、利益確定の売りと新たな買いが相対立する結果として、価格が横ばいになりやすいです。いわゆるレンジ相場を形成します。
※もちろん、2波のように価格的な修正が発生することもあります。
市場参加者の心理としては、以下のように推測できます。
上昇トレンドは終わった。利益を確定するために売る。
まだ上昇の余地があるから買う!
価格がかなり上昇したので一旦様子を見たい
ファンダメンタルズがすでに織り込み済みで新たな材料が出ない状況では、新規に買いも売りも入れにくい状況が続きます。
その結果、価格動きが複雑で長いレンジ相場を形成することも多いです。
レンジ相場になった場合、新たなファンダメンタル要素が出てきたときに5波へ移行することが多いです。
「フラット」「トライアングル」「複合修正波」「ジグザグ」など多種多様な波形の候補があり、価格の動きも複雑になる傾向があります。
4波をリアルタイムでカウントしたり、この波を利用して利益を伸ばすことは難しそうだね。
5波はトレンド最後の波で、強力な上昇になることもあれば、弱い上昇を示すこともあります。
強い上昇をするか、弱い上昇をするかは、その時点でのファンダメンタル分析やポジション(ストップロス)の状況によって変わります。
たとえば、トレンドに有利なファンダメンタルズがあったり、大量のストップロスが存在する場合は、強力な上昇を見せる傾向があります。
市場参加者の心理としては、以下のように強気と弱気が混ざり合っていることが多いです。
有利なポジションを長く持って利益を伸ばしたい
新たに順張りで利益を狙うぞ!
もう十分上昇したから、利益を確定しよ
いくらなんでも上がりすぎ。逆張りだ!(でも怖いから高値更新で損切りしよ)
市場参加者の心理が混ざり合っているため、期待したほど価格が上昇しないこともあります。
特に、5波が3波を超えない場合は「フェイラー」と呼び、価格がダブルトップを形成する1つのパターンと考えられます。
価格が上昇するかどうかを判断するのは難しく、トレンドに沿って貪欲にポジションを長く持つと、次の修正波(A波)により大きな損失を被ることがあります。
逆に参加者Dのように逆張り→すぐ損切りする人が多いとジリジリと5波が大きくなりやすいです。
あるよね。押し目もつけないでずっと上昇(下落)し続けること。
エリオット波動理論の中で、3波動修正の最初の波をA波と呼びます。
この波は「トレンド転換の波」とも言われ、前の1~5波で形成されたトレンドとは逆方向に大きく値動きします。
A波はトレンド転換の始まりであり、1~5波が上昇トレンドだったならA~C波では下落トレンドになります。
A波は新たな推進波となるため、前の上昇トレンド中の2波や4波のような修正波の下落より大きな値動きになりやすいです。
市場参加者の心理としては、以下のようなものが推測されます。
これはトレンドに対する一時的な価格修正だ
トレンドは終わったと思うから逆張りしてみよう
含み益が減る前にここらへんで利益確定しよう
5波の値動きを見てトレンド継続を期待する新規参加者がいる一方で、それ以前にポジションを持っていた参加者は5波で利益を確定したり、逆張りの参加者も増えるためトレンド転換の圧力が増大します。
その結果、5波の始まり近くまで価格が下がったり、それを下回る「全戻し」や「行って来い」の状況が発生します。
トレンドに乗ろうかと思った矢先に、全戻しで損切りする羽目になるとかあるあるだね。
「高値掴み」「底値掴み」が起こりやすいので、5波の終わり(A波の始まり)を察知することは非常に重要です!
エリオット波動理論におけるB波は「前のトレンド方向に進むダマシの波」とも言われます。
B波は1~5波で形成された上昇トレンドと同じ方向に進みますが、これはA波(下落)に対する修正(上昇)であり、多くの相場参加者に誤解を与える波です。
市場参加者の心理としては、前のトレンドに対する楽観的な見方が強まります。
やっぱりトレンドが継続しているんじゃん
順張りでどんどん高値更新を狙っちゃおう
トレンド転換してそうだけど、分からなくなってきた
しかし、多くの場合、B波は5波で達成した新高値を更新せずに、次のC波(下落)へと移行します。
ファンダメンタルやテクニカル面から見ても、「なぜ価格が上昇しているのか理解できない」「分析がうまくかみ合わない」という状況が多く見られます。
もし、A波で買いを入れていた場合、B波で手仕舞いをしなければ、次のC波で大きな損失を被る可能性があります。
例外としてA~C波が「フラット」系の場合、B波は5波の終わりまで達する。さらに少し価格を更新する可能性があるので注意が必要です。
エリオット波動理論におけるC波は「前のトレンドを破壊する波」と呼ばれ、1〜5波で形成したトレンドと逆方向に大きく値動きする特徴があります。
B波が5波(最高値)を更新できない場合や、上昇が弱かった場合、相場参加者の間で利益を確定するための売りが増え、新たな売りが生じてC波の下落が始まります。
市場参加者の心理としては、トレンドの終わりを確信する人・損切りをせざるを得ない人に二分化されます。
1つ前の下落(A波)でトレンドはすでに転換していたんだ!
トレンド終わってたか~。損切りだな。
含み損がどんどん増えていく。今さら損切りもできない…
多くの人が「トレンド転換した」と感じるほどの強烈な値動きが生じる理由は以下のように考えられます。
- ファンダメンタルズで前のトレンド(1~5波)に対して明確な悪材料が出た
- B波で捕まった勢力の損切りや強制ロスカットが雪崩的に発生
特に、月足や日足などの長い時間足では大きな下落が起こる可能性が高いです。
一方、5分足や15分足などの短い時間足では、C波がA波終点を越えられないフェイラーが起きやすい傾向があります。
これは、上位足のトレンドから見て、C波が修正波であることが一因と考えられます。
C波で意地を張って損切りをしないと強制ロスカットされることもありそうだね。
そうね。資金管理の仕方にもよるけど、強制ロスカットのリスクは高いし、すぐにそのポジションが助かる確率も低いし、助かるにしても時間がかかったりするわ!
エリオット波動理論の「5波動推進、3波動修正」における1~5波、A~C波で予想される相場参加者の心理を紹介しました。
1波:「始まりの波」:実はトレンド転換をしている波
2波:「価格修正の波」:1波に対して大きな価格的修正を伴う波
3波:「強力な推進波」:トレンド方向への値動きが最も大きい波
4波:「時間修正の波」:横ばいのレンジとなりやすい波
5波:「終わりの波」:1波から続いたトレンド最後の波
A波:「トレンド転換の波」:1~5波に対する大きな価格修正が始まる波
B波:「ダマシの波」:1~5波のトレンド継続のように誤解しやすい波
C波:「前トレンドを破壊する波」:前トレンドやB波の値動きを否定する波
以上、波形カウントごとの特徴のまとめでした。
エリオット波動理論を学ぶならこの書籍!
初心者でもわかるように丁寧に解説、読みやすく図解された1冊。
一読してすべてを理解するのは難しいですが、何度も読み返して現在の相場にアウトプットしていくことで、エリオット波動理論の考え方が身についていくでしょう。
ケーススタディや代表的なトレード戦略も載っています!
18銘柄、250の検証実例が収録されています。
エリオット波動理論の基本的な知識はもちろん、各エリオット波形の事例が紹介されており、どのように分析やトレードをしていくか参考にすることができます。
章ごとに復習問題も用意されており、まさに教科書って感じです!