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エリオット波動理論は、為替相場の大局観や今後のシナリオを分析・予測するのに効果的なテクニカル分析です。
本記事では、「ここでトレードする!」といった技術的な話ではなく、エリオット波動理論を活用するうえで理解しておくべき前提知識を解説します。
エリオット波動理論を正しく活用するためには、エリオット波動理論の成り立ちや原則の理解が重要よ!
間違った理解のままでいると「間違った分析や予測を続けてしまう」といったリスクがあるってことだね。
具体的には、以下についてまとめました。
- エリオット波動理論とは?どのようなテクニカル分析なの?
- エリオット波動理論における波と重要な3つの原則
この記事がエリオット波動理論を学ぶ・トレードに活用する入口となり、役立てていただければ幸いです。
元会計士投資家のラルフ・ネルソン・エリオットは、相場の観察を重ねる中で繰り返される値動きのパターンを見つけ、この株価変動の原理を「波動原理」として紹介しました。(1946年「Nature’s law: The secret of the universe (Elliott Wave)」)
その後、ハミルトン・ボルトンやロバート・プレクターがこの「波動原理」に注目。
さらなる知見を蓄積していき、現在の「エリオット波動理論」が形成されました。
ざっくりと言うと
・相場は一定のパターンがあり、周期的に推移している
・パターンや周期は人間の行動心理に基づいたもの
というような理論です。
1946年が起源の理論って、相当昔だね。現代でも通用するのかな?
そう思うのもわかるわ。この理論のミソは「人間の行動心理」に基づいた理論ということよ!
エリオット波動理論の波形パターンが異なる相場や時代で通用する理由には、以下の3つの「相場と人間の事実」が関与していると考えられます。
- 相場は人間の心理によって動かされる
- 似た状況や環境では個人の行動や心理も類似する傾向
- 人間の心理は時代を超えて共通する特徴を持つ
上昇や下落、もみ合いは人間の期待や不安、「こうなるかもしれない」「そうなってほしい」という心理や意思が反映されて相場は動いている。
バンドワゴン効果やプロスペクト理論といった行動心理が有名。相場に限らず、集団で行動する人間は同じことを感じたり、同じような行動をとりやすい。
暴落に対する恐怖、含み損の苦痛、勝ちたい・負けたくないといった心理。恐怖や快楽など根源的な心理であるほど、時代を超えて共通します。自分の財産がなくなって嬉しい時代なんてなかったでしょう。
エリオット波動理論では、「相場のパターンは人間の心理が相場に現れたものである」という前提のもと、現れるパターンを観察し、分類・体系化しています。これが現代のエリオット波動理論として知られています。
あらゆる情報を得て、予測して、期待や失望して、相場に参加しているのは人間よね。
そうだけど、でも、現代はAI(人工知能)やロボットも参加しているじゃないの?
そうね。でも、それらも人間の意志や心理の起源として動いているものではないかしら?
文野くんの言う通り、現代ではAIやロボット、自動売買などのトレード技術も進化しています。
しかし、それらは人間の欲望や知識に基づいて開発され、人間の知識や理論に基づいて動作し、人間が期待や不安を持ったうえで命令して動かしています。
そのため、AIが独自の意志でトレードを開始する限り、相場参加者は全て人間であると見なすことができるのではないでしょうか。
AI自身が意志を持って行動しはじめたら、この理論はどうなるかわからないわね…
今、ChatGPTとは生成系AIの発展も凄いもんね。
言い換えれば、エリオット波動理論による分析は相場の裏側に隠れた人間の心理を分析しているといっても良いのではないでしょうか。
相場を形成する要素が人間である限り、エリオット波動理論は有効であるでしょう。
【図解】エリオット波動の各波の特徴と相場心理を解説!【FX】エリオット波動理論はテクニカル分析の1つです。
相場の値動きを波と捉え、波形パターンに基づいて分析や将来の値動きの予測を行います。
エリオット波動理論を用いる利点は、相場の状況を分析し、将来のシナリオを効果的に予想できることです。
具体的な分析手法としては、価格を基準に線を引いていく「ライン分析」や「フィボナッチリトレースメント」といった手法が近いわね。
チャンネルラインやフィボナッチは知ってるけど、エリオット波動理論の説明中にも出てきたね。
あとは、代表的なパターンを使って相場の値動きを予測する「ダブルトップ」や「三尊」といった「パターン分析」にも似てるよ。
そういった分析方法をしている人には、とっつきやすいかもな!
エリオット波動理論でよく聞く「波」とか「波形」ってなに?
「波」「波形」は値動きや相場の形みたいなことなの!詳しく解説するわね。
エリオット波動理論を使って分析をする際に、「波」と「波形」の概念をしっかりと理解しておくことは大切です。
それぞれの定義は以下の通りです。
- 「波形(パターン)」とは、特定の値動きの形状
- 「波」とは、上昇と下落の一連の値動き
つまり、「波」がいくつか組み合わさったものを「波形」と呼びます。
エリオット波動理論では、「波」は「価格」と「時間」の要素を含んでいるとされています。(数学の「ベクトル=大きさ+向き」のようなもの)
分析をするときに「波の大きさ」を評価する際は「価格」のみを考慮するのですが、「波の大きさ」=「価格+時間の長さ」と誤解して分析している方もいるので注意しましょう。
このような誤解があると、エリオット波動の分析結果に影響を及ぼす可能性があります。
「波の大きさ」を評価する例
たとえば、1から5までの波で構成される波形を考えてみましょう。
1波目:価格❶が500pips, 推移時間❶が4時間
3波目:価格❸が800pips, 推移時間❸が2時間
5波目:価格❺が500pips, 推移時間❺が2時間
上図の「価格+時間」(黒線)で見ると1波と3波は同等に大きく見えます。
しかし、「価格のみ」(赤矢印)で見ると3波目が明らかに大きいことがわかるでしょう。
エリオット波動理論では、「波の大きさ」は「価格(変動)の大きさ」と定義しているため、「3波の方が1波よりも大きい波である」と結論づけることが正しいです。
この例の波形は「インパルス」と定義できますが、「波+時間」で間違った評価をしてしまうと「インパルス」でと気づけない場合が出てるくので注意です。
些細な誤解が重なると、相場観のずれ」→「トレードのミス(損失)」につながりそうだね。
そうね、「波」については誤解がないように!では、エリオット波動理論の3つの原則についても解説していくわ。
エリオット波動理論では、以下の3つを「原則」として相場を見ていきます。
- 相場は5波動で価格を推進し、3波動で価格を調整・修正する
- 相場はフラクタル構造を持つ
- 相場に現れる波形パターンは、基本的に5つのカテゴリに分類できる
エリオット波動理論のルールとして、以下のように認識している人やサイトがあります。
・2波は1波を割らない
・3波は最小にならない
・4波は1波と重ならない
しかし、これは基本波形の1つである「インパルス」に関する条件なので、誤解しないように注意しましょう。
【図解】エリオット波動の推進波インパルスとは?特徴を解説!エリオット波動理論では、相場は1~5までの5つの波で価格をトレンド方向に押し進め、AからCまでの3つの波でトレンドの逆方向に価格を調整すると考えます。
- 推進波:トレンド方向に価格を押し進める波。5つの波で構成
- 修正波:トレンドの逆方向に価格を戻す波。3つの波で構成
上昇トレンドでは、上向きに5波動で価格が上昇し、3波動で価格が下降するようになっています。
その逆の下降トレンドでは5波動で価格が下降し、3波動で価格が上昇します。
「相場のすべては推進波と修正波で形作られている」という考え方が、エリオット波動理論の最初の考え方です。
5つの推進波+3つの修正波で1サイクルと数えます。
フラクタル構造は数学的な用語で、「図形の一部分が全体と似ている構造」を指します。これは幾何学の概念です。
ううん…なんだか難しい。
イメージとしては、マトリョーシカのようなものよ!人形の中に同じような小さな人形が入っている。さらにその小さな人形の中に、もっと小さな人形が入っている…みたいなことね。
エリオット波動理論では、相場も同様にこのフラクタル構造を持っていると考えられています。
「相場がフラクタル構造である」ということは、以下のように捉えることができます。
- 長期足、中期足、短期足に関係なく、相場は常に「5波動推進・3波動修正」のパターンを持つ
- エリオット波動は、より小さなエリオット波動で構成されている
例えば、月足(長期足)の1波動は、日足(中期足)の5波動 or 3波動で形成されますし、
日足(中期足)は、4時間足(中期足)の5波動 or 3波動で構成されているということです。
副次波:アクション波とリアクション波
また、フラクタル構造の観点から、「推進波」と「修正波」は「アクション波」と「リアクション波」からなると考えられます。
- アクション波:一回り大きな波と同じ方向の波
- リアクション波:一回り大きな波と反対方向の波
これらのアクション波とリアクション波をまとめて「副次波」と呼びます。
相場はフラクタル構造を持つため、副次波の中にはさらに小さな副次波が存在することになります。
このフラクタル構造の概念を前提としているため、エリオット波動理論は「マルチタイムフレーム分析」と非常に相性が良いわ!
複数の時間足(長期→中期→短期の順に)を分析するやつだね!
その通り!エリオット波動理論は、1つの時間足だけでなく、複数の時間足を対象にして「トレンドの方向性」や「エントリーポイント」を分析できるのが強みね。
エリオット波動理論では、相場は基本的な5つのパターン(波形)に分類されます。
これら5つの波形が相場の構成要素となると考えられています。
注意点として、特に「ダイアゴナル」「フラット」「トライアングル」にはさまざまな派生形が存在します。
また、通常の修正波より長く連続して現れる「複合修正波」というパターンもあるとされていますが、ここでは詳細には触れません。
「インパルス」「ダイアゴナル」「ジグザグ」は値動きが大きいパターンであり、トレードにおいては大きな利益を狙える可能性があります。
一方、「フラット」「トライアングル」は相場が横ばいの値動きをするパターンです。これらの波形が完成した後は、通常、元のトレンド方向に再び値動きが起こる傾向があります。
相場の値動きが今どのパターンの何波目か?今後はどのパターンが作られそうか?といったシナリオ分析に役立ちます。
以上、エリオット波動理論とは?エリオット波動理論における波と3原則のまとめでした。
エリオット波動理論は、人間の行動心理に基づいた理論であり、相場の形(パターン)を予測していくテクニカル分析の側面があります。
- 5波動で推進し、3波動で修正する
- 相場はフラクタル構造を持つ
- 基本波形は5つのカテゴリに分類できる
は絶対に覚えておかないとね!
エリオット波動理論における「波の大きさ」は「価格の大きさ」のみで決まるということも忘れずに、です!
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初心者でもわかるように丁寧に解説、読みやすく図解された1冊。
一読してすべてを理解するのは難しいですが、何度も読み返して現在の相場にアウトプットしていくことで、エリオット波動理論の考え方が身についていくでしょう。
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エリオット波動理論の基本的な知識はもちろん、各エリオット波形の事例が紹介されており、どのように分析やトレードをしていくか参考にすることができます。
章ごとに復習問題も用意されており、まさに教科書って感じです!