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FXや株式投資をやる上で「高値掴み」は多くのトレーダーが経験する悩みの1つです。
市場が上昇している時に「まだ上がる」と期待して、買い注文を押す。
しかし、そこから価格がじりじり下落して含み損を抱えてしまう。そんな経験、ありませんか?
なんで僕が買った瞬間から落ちるの…ってよくある。
単純に運が悪いといったことではなく、心理的な原因が「高値掴み」の一因にあります。
この記事では、高値掴みをしてしまう心理的な原因とそれを避けるための対策を紹介します。
バンドワゴン効果、プロスペクト理論、確証バイアスといった行動経済学から見た心理的な落とし穴を見ていきます。
高値掴みや底値売りは、市場心理の影響を強く受けた行動です。
市場が好調な時に「まだ上がる」と楽観視し、逆に市場が不調な時には「もっと下がる」と悲観視しがちです。
このような心理状態が、適切なタイミングでの売買判断を難しくさせ、結果として高値で購入したり、低値で売却したりしてしまうのです。
「高値掴み」する原因を行動経済学で見てみる
行動経済学は、伝統的な経済学の「合理的な人間」の仮定に疑問を投げかけ、人間の非合理性や心理的要因が経済行動に及ぼす影響を研究する学問です。
経済学と心理学が融合した分野です!
FXにおける「高値掴み」は、この行動経済学の視点から見ると以下のような心理的要因によって説明されます。
凄い!こんなに勢いがあるなら、さらに上がるはずだ!
ここで買わなきゃ大きな利益を逃すかもしれない。急いで買い注文っと
まぁ…まだ慌てる時じゃない。上がる前の下げでしょ。
いや、テクニカル的にはまだ上昇だし、経済指標も良いし、SNSでも買ってる人が…
含み損を確定させるのが嫌!ここを耐えればワンチャンスある。こっから上がりそうな材料もあるし。
ダメだった。さっさと損切りすればよかった。
このように「高値掴み」での大きな失敗には、複数の心理的な原因があると考えられます。
「高値掴み」で大きな失敗をしてしまう要因として3つの心理が考えられます。
- バンドワゴン効果
- プロスペクト理論
- 確証バイアス
プロスペクト理論はなんか聞いたことあるかも?
3つの心理について概要や影響をまとめていきます!
高値掴みとバンドワゴン効果
バンドワゴン効果は多数の人が支持しているモノに対して、より一層の指示が集まる心理的現象です。
「みんながやっているから安全だろう」
「みんなが買っているから、これから価格が上がるに違いない」
といった心理的な安全から発生します。
特に市場が好調な時に顕著で、トレーダーは市場の動向を冷静に判断するよりも、群衆心理に引きずられやすくなります。
行列のできているラーメン屋には、さらにお客さんがやってくる的な!
「行列ができている」→「きっと美味しいのだろう」→「自分も食べてみたい」という構造ね。
最大のリスクは、市場が反転した時に大きな損失を被る可能性があることです。
価格が上昇している時には、この心理が実際にさらなる価格上昇を促すこともあります。
しかし、市場が飽和状態に達した時や何らかの理由で価格が大きく下落し始めた時、最後に買い入れたトレーダーは高値掴みの状態になります。
価格が上がれば、安値で買い入れた人たちは利益確定をするので注意ね。
高値掴みとプロスペクト理論
プロスペクト理論は、人々がリスクを伴う選択をどのように評価し、決定するかを説明した理論です。
人は「損失への不快感」が「利益を得ることへの快感」よりも強いとされています。
また、「損失を避けるため」に「よりリスクを取る行動」に出る可能性があるともされています。
損失回避性。利益は確実に得て、損失は賭けに出ても避けたいといことです。
人はとにかく損はしたくない!ってことだね。
「ここで買わなきゃ大きな利益を逃すかもしれない」という思考は、損失回避性から来ています。
市場が過熱して上昇している時、トレーダーは将来的な利益の可能性に焦点を当てがちです。
現時点でのリスクを過小評価することも多いでしょう。
この心理が、高値での購入というリスクを取ってでも、「機会を逃さないように」という行動につながります。
高値掴みをしたと気づいても放置してしまうのは「損失を確定させることへの拒否感」です。
価格が下落し始めて含み損が発生しても、多くのトレーダーは損失を確定させることを嫌がります。
「まだ回復するかもしれない」という希望に賭け、損切りをせずに持ち続けることで、一か八かで含み損が回復することを期待します。
損失を小さく保とうとする合理的な行動からは逸脱しており、結果としてさらなる損失を招く可能性があります。
自分で「損失を確定させる」ということ自体が苦しいことだもんね…
自分が不快なことを進んでやりたい人はなかなかいません
高値掴みと確証バイアス
確証バイアスは、自分の信念や事前の判断を支持する情報を選んで受け入れ、それと矛盾する情報は無視する心理的傾向です。
情報を自分が都合の良い解釈をしてしまうのもこれです。
”結論ありき”で情報収集、分析、解釈しちゃいやすいんだね。僕らは。
自分の判断は正しかったと信じたいという強い願望から、買い注文を正当化するための情報だけを探し出します。
「経済指標が良好だった」
「専門家が引き続き上昇すると予測している」
「SNSで多くの人がまだ買い時だと言っている」
といった理由で高値買いを正しいと自分に言い聞かせる。
このような言い訳は、市場の実際の動向やリスクを冷静に評価することを妨げます。
結果として不利なポジションを長引かせる原因となるのです。
確証バイアスは損切りを避ける行動を正当化する際にも働きます。
含み損が出ている状況で
「まだ市場は回復する」
「この下落は一時的なものだ」
「長期的に見れば利益が出る」
といった理由を自分に言い聞かせ、必要な損切りを行わない選択をします。
いつもは気にしていない経済指標やテクニカル指標から理由を引っ張り出してくることもあるあるです。
損切りしたくない → 理由探し → 意地でも損切りしない心理状態になります。
プロスペクト理論と確証バイアスのコラボレーション…
高値掴みや底値売りを克服するためには、3つの心理的バイアスをまずは理解すること。
そして、バイアスがかかりづらい状況づくり、客観的な分析に基づいた戦略を立てることが不可欠です。
以下に、高値掴みを避けるための具体的な対策を紹介します。
客観的に分析する
感情に任せて取引するのではなく、客観的なデータや分析に基づいて判断をする癖をつけましょう。
複数のテクニカル分析やファンダメンタルズ分析を活用し、トレンドと反転ポイントを予測することが大切です。
注文前に「〇〇だからーーをする」という根拠を意識する癖をつけることで、その場の雰囲気(感情)で取引することを避けられます。
自分に3つの心理バイアスがかかっていないか問いかけることも大切です。
トレードルールを作る
自分自身のトレードルールを作り、それに従って取引することで心理的な影響を小さくできます。
「ボラティリティが高い時には様子見をする」
「高値更新を狙わない」
「損切りポイントや利益確定ポイントをあらかじめ定める」
などがバンドワゴン効果から身を守るルールとなるでしょう。
ルールを作るだけではなく、常にルールを守る意識も重要だね。
長期的な視点を持つ
短期的な市場の動きに一喜一憂するのではなく、長期的な視点でFXをすることも大切です。
目先の利益に囚われず長期的に利益を積み上げるを目指すことで、執拗な高値追い→高値掴みを減らすことができます。
また、「損失を小さく抑える」「損失は必要経費」という長期的な視点も大切です。
長期的な視点はプロスペクト理論による「損切りできない…」を克服できる対策です。
逆指値を入れて自動で損切り
市場が予想と逆方向に動いた場合に備え、逆指値注文を利用することもオススメです。
自動的にポジションを決済できるので、感情に左右されず、想定以上の損失を抱えることもありません。
上昇トレンドで高値追いをする場合は、安値更新のポイントに逆指値を入れておくなど有効。
どうしても感情的になるなら、感情に左右されない決済手段で取引をしようということです。
「損切りしたくないから」と逆指値を移動させないように注意だね。
FXにおいて高値掴みや底値売りは、多くのトレーダーが1度は経験する共通の課題でしょう。
この失敗は、主に市場の動きに対する心理的な反応や非合理的な判断が原因で起こります。
バンドワゴン効果:多くの支持が集まっているモノに釣られて、さらに支持が集まる現象
プロスペクト理論:損失回避性。損失を避けるためにはリスクを取る傾向
確証バイアス:自分の信念を支持する情報のみを受け入れる心理
自分と相場客観的に分析:複数の分析方法を活用して判断。自分の心理状態を意識する
トレードルールを作る:取引でしないこと、するべきことを明確に決めよう
長期的な視点を持つ:長期的な利益を目指して、一時的な損失を受け入れる心構え
逆指値を入れて自動で損切り:感情に左右されない決済手段で、許容できる損失額に抑えよう
FXにおいて高値掴みや底値売りを避けるためには、これらの心理的バイアスを理解し、冷静な分析やトレードルールに基づいた戦略を立てることが大切です。
原因となる3つの心理を”知っている”だけでも、高値掴みをしてしまう回数は減るでしょう!
”知っている”と”知らない”は全然違うね!
こちらはFX関連書籍ではありませんが、行動経済学とは何か?全般を知れるビジネス書。
「人の認知のクセ」「状況が意思決定に影響する」「感情が意思決定に影響する」
といったテーマで体系的にまとめられています。
行動経済学が最強の学問である
相良 奈美香 (著)
まずは読みやすいビジネス書籍から入りたい人にオススメです!
FXに限らず投資全般に関する「市場理論」や「行動経済学」を網羅的に学べる1冊。
図解やグラフによる説明もあるので、「不確実性」「〇〇理論」「心理学」など抽象的な概念も比較的に理解しやすいです。
図解でわかる ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて
田渕直也 (著)
内容は難しめではあるので、本格的な内容をじっくり読みたい人にオススメです。
筆者らの教訓から「デイトレーダーとして成功する心構え」を言語化してまとめられた1冊。
FX・投資を行っていくうえで重要な「メンタル」「考え方」「やるべきこと・やってはいけないこと」など学ぶことができます。
デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術
オリバー・ベレス(著) グレッグ・カプラ(著) 林康史(監訳) 藤野隆太(訳)
メンタルや心構えの話が中心なので、FXをある程度やっている人に刺さる1冊です!